宿題、定期テストを廃止 生徒の自律促す麴町中の取り組み
2019.05.13

宿題も定期テストも廃止。東京都千代田区立麴町中は、生徒の自律を促す取り組みで注目を集める。新たな学習指導要領の柱でもある主体的に学ぶ子は、どうすれば育つのか。
社会でよりよく生きる力を育む
宿題も定期テストも廃止。東京都千代田区立麴町中は、生徒の自律を促す取り組みで注目を集める。新たな学習指導要領の柱でもある主体的に学ぶ子は、どうすれば育つのか。
東京都千代田区立麴町中学校で4月中旬、約430人の生徒全員にA5判のビジネス手帳が配られた。同校では毎日の下校前に、手帳に予定などを書く「プランニング&プレゼンテーション」という時間が設けられており、生徒たちは放課後の時間の使い方の計画を記入したり、週単位の予定や持ち物を確認したりする。
手帳に書き込んで見返す作業を通して、学習計画を自分で考え、忘れ物をしない工夫をするなど、自分自身をコントロールする習慣を身につけていく。
2年の原田連久さん(13)は「いろいろな配布物に書かれた持ち物を手帳にまとめて書き込めるから、忘れ物が減りました」と話す。

活用するかどうかは自由だが、小林弘美主幹教諭によれば、ほとんどの生徒が使っているという。
同校では5年前に着任した工藤勇一校長が、社会でよりよく生きていく力を育もうと、学校の常識を覆すような改革を次々と打ち出してきた。
昨年度からは、宿題と定期テストを全廃した。「やらされる学習」では学んだことが身につかないからだ。
保護者からは「宿題がないと勉強しない」という声が上がることもある。だが、小林主幹教諭は「定期テストの代わりに、平均して週2回ほど各教科の単元テストがある。自分の学習に取り入れていけば、必然的に学習するはず」と話す。点数が悪ければ再テストを受けられるので、分からないところを集中的に勉強することにもなる。
宿題も一律で課すことはしないものの、生徒に家庭学習のやり方を助言したり、それぞれに合った問題集を紹介したり、自ら学ぶ気持ちを後押ししている。
体育祭や文化祭も生徒が企画
勉強以外の場面でも、生徒の自主性を高める姿勢を貫いている。