予備校リレーコラム

英語の「資格・検定」、大学受験にどう活用?

2019.05.28

author
代々木ゼミナール
Main Image
  • 高校3年生の4~12月に受検した試験結果を2回まで大学入学共通テストの成績として活用できる

  • 大学入学共通テストから、英語で問われる技能は「話す」が加わる分、英語の学習量が増えそう

  • 英語は少なくとも高2までには一定の完成をしておく必要あり。早めに準備をしよう

英語の「資格・検定」 大学受験にどう活用?

英語の「資格・検定」と言えば、中学校や高校で受“検”を経験した人も多いのではないかと思います。現在の大学入試では、主に私立大学における一般入試(筆記中心)の「英語」を、資格・検定の成績に代える大学が増えてきてます。2020年度からの新制度入試では、受検を受“験”に変えて、資格・検定試験の「成績」が活用されます。

大学入試で、あらためて「英語」?

英語試験

2020年度からの新制度入試では、大学入学共通テスト(前回参照「大学入試改革の基礎知識」)のなかで、英語の資格・検定試験の成績(正式には「英語成績提供システム」と言います)が活用されます。具体的には、高校3年生の4月から12月に受検した試験結果を、2回まで、大学入学共通テストの成績として活用できるという制度です。

大学入試で「英語」の力が問われることは、今や“言わずもがな”のことで、センター試験、国公立大2次試験、私立大の入試のいずれにおいても出題される教科の一つですので、あらためて、資格・検定試験を活用する必要はないように思えてきます。それなのに、どうして、新制度入試、ひいては新しい共通テストで資格・検定試験の成績が活用されるのでしょうか。

代ゼミ3回目
©代々木ゼミナール

「4技能」が求められる大学入試

新制度入試において、資格・検定試験の成績活用を促す理由はいくつかあります。例えば、毎年、国が実施する中学生と高校生による「英語力調査」の結果にある通り、中学(CEFR A1レベル※)、高校(CEFR A2レベル※)ともに、目標水準である50%に到達していないことが話題となっており、中学、高校において英語力(活用能力)の低さが課題とされています。現在の学校教育では、英語の活用能力を強化すべく、英語は4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく育成することになっていますが、実際の生活において、英語を活用する場面は少ないと言えるのではないでしょうか。しかし、日本における国際化が加速しており、学校教育における英語力の強化を図る等の理由から、入試でも4技能をバランスよく測ることが求められるようになったのです。

資格・検定試験 = 大学入試 ではない?

ただ、現行入試では、センター試験を含め、「4技能」と言われる能力の一部(主に「読む」「聞く」「書く」)が問われ、「話す」についてほとんど問われていません。入試改革の議論が開始された最初の頃は、新しい共通テストで「話す」を含めた4技能試験の出題も検討されましたが、試験の技術面や運営面の課題から、新しい共通テストでは、民間団体が提供する資格・検定試験の成績が活用されることになります。従って、大学入学共通テストから、英語で問われる技能は3種類(共通テスト内で出題される「筆記(リーディング)」「リスニング」+資格・検定試験の成績)となり、「話す」が加わる分、センター試験よりも、英語の学習量が増えそうです。

ところで、英語の学習量が増えると言いましたが、「話す」に対する時間を増やすだけでは対策になりません。大学入試も資格・検定試験も同じ「英語」だから、「一緒の勉強で大丈夫!」と思われるかもしれません。もちろん、文法や語法、単語の知識を得る点では同じ学習方法ですが、出題のされ方が異なります。もともと資格・検定試験は、「活用能力(運用能力)を試す」ことが目的である一方、大学入試は、「大学が求める英語力を試す」ことが目的です。つまり、学習の方向性は一致していても、対策が異なります。そのため、資格・検定試験も、それはそれで対策を講じる必要があります。どのような出題がされ、どの大学でどの試験の成績が必要なのか、各自で調べ、学習に臨む必要がありそうですね。

(佐藤雄太郎・教育総合研究所所長)

*参考 代ゼミwebサイト
「大学入試改革の基礎知識」
大学入試改革による現行制度との主な変更点や、大学入学共通テストの概要を掲載。

「大学入試改革とは?」
試行調査の分析を掲載。出題の特徴や対策を紹介しています。

新着記事