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受験体験記(4) 合格=ラスボス ゲーム感覚で小さな目標からクリア

2019.06.05

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山本 朝子
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この春の大学入試や高校入試を経験したみなさんの体験をシリーズで紹介しています。今回は、春から大阪府立高校に通うDさんです。受験に向けての取り組みで心がけたのは「楽しむこと」。志望校の選択で自分と向き合い、進むべき道も切りひらきました。

Dさんが第1志望校を決めたのは中31112月ごろでした。それまでは、意中の高校は別にありました。しかし、秋の模擬試験(模試)で思うような結果が出ず、「合格は少し厳しい……」と不安でおしつぶされそうになりました。

将来の進路の一つとして、Dさんは医療系の職業に興味をもっています。一方で法学系にも関心があるといいます。いま通っている高校では進路指導にも力を入れており、卒業生の医師や弁護士、研究者らがおとずれ、講演する機会が設けられています。「落ちたくない」という気持ちを抱えながら勉強に取り組むなかで、改めて志望校を見直して「この高校、合っているのでは」。自分の力とも照らし合わせ、思い切って第1志望校を変更し、模試でA判定を取ることを目標に掲げました。進学先では友人にもめぐまれ「自分の決断は正しかった」と受けとめています。

勉強前の「ルーチン」で流れに乗る

中学では3年間、ソフトテニス部に所属。平日は1時間30分、土曜や日曜は45時間の練習があり、休みになるのは定期テストの前ぐらいでした。

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効率よく時間を使おうと実践したのが「ルーチン」。決められた一連の動作をすることで気持ちを高めました。帰宅すると、まずは手洗いとうがい。私服に着替え、本人に任された役割の布団敷きをこなし、この流れに乗って机に向かい、勉強に取りかかるのがDさんのルーチンでした。「先に簡単なこと、あとに少しためらってしまうことの順でおこなうことで集中できる」。部活動を引退してからも時間や流れを大事にする姿勢にかわりはありませんでした。

たとえば平日の取り組み。朝は登校までの時間に理科と社会を勉強し、午後430分ごろに帰宅してから夕飯までは国語の文章題や英語の長文など。夕食後は質問ができる環境の個人塾で、あまり得意ではなかった数学に集中しました。休日は、塾があいていれば午前10時から午後5時まで自習室で勉強。得意の理科や社会からスタートし、30分から1時間で終えたら、国語と英語に2時間、数学に3時間ほどあてました。

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支えになったのが趣味でした。Dさんは本が大好き。休日の勉強で塾があいていない場合、午前中に自宅で集中して取り組み、昼食後の数時間、書店に出かけて書棚を見て歩くのがよい気分転換になりました。もう一つの楽しみがアニメ。深夜の放送を録画して見ていました。受験の直前にがまんしたことがありましたがストレスがたまり、見続けたそうです。

結果が出ないときほど客観的に分析

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受験に向けての取り組みで「つらい」と感じたのが模試の結果が振るわなかったとき。自分の甘さを突きつけられている気がしました。そんなときは「主観的に考え始めるとさらに悲しくなるので、とことん客観的になった」とDさん。「この分野の正答率が低いから集中的に取り組もう」「この分野はまあまあだから、それほど時間をかけなくていい」と見きわめ、計画を練り直しました。

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目標を考えるときに心がけたのが、達成できる内容にすることでした。むちゃな量をこなそうとしても、そんな勉強は長続きしない。少しずつ目標のハードルを上げ、限界を広げていくことで最速でゴールに届く――。こうした考えをDさんはRPG(ロールプレイングゲーム)にたとえます。「魔王を倒すこと」が「合格すること」。クリアするには中ボスを倒し、武器や戦闘力のレベルを上げる必要があります。こうした過程が勉強でいえば「模試で数学の偏差値を○にする」「○判定を取る」といった目標です。「小さな目標を立て、ゲーム感覚でクリアすることで合格に近づくことができ、何より楽しめる」

※朝日中高生新聞2019年4月28日付

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