予備校リレーコラム

大学新入試の英語は「活用力」がポイント 音声系は訓練を

2019.06.11

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河合塾
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  • 大学入試英語成績提供システム参加の英語資格・検定試験を入試判定に活用
  • 各資格・検定試験の結果は共通の基準CEFRに照らして判定
  • 入試では高校3年の4〜12月に受検した試験を使用

入試で使われるのは「大学入試英語成績提供システム」への参加が認められた試験だけ

現在の高校2年生から国公立大学を受験する際、英語4技能の運用能力を測るため、大学入試センターが認めた民間の英語資格・検定試験を利用することが決まりました(それらを「大学入試英語成績提供システム参加試験」と呼びます)。初年度は下表の8つの民間の英語資格・検定試験が認められました。

これらはそれぞれの実施団体が独自の基準で英語運用能力を判定するための試験であるため、必ずしも一般の高校生レベルの英語力に配慮された内容にはなっていないものもあります。

また、国内でしか通用しないものと国際的に通用するものがあるため、将来、留学や海外大学進学を考えている人はその点も考える必要があります。まずは、それぞれの試験の特徴を確認して、自分の現状の英語運用能力に適した試験を高校1、2年生のうちに力試しを兼ねて受けておくと良いでしょう。迷ったら高校や塾・予備校の英語の先生に相談してみましょう。

T)大学入試英語成績提供システム参加の英語資格・検定試験
©河合塾

各資格・検定試験の結果は共通の基準CEFRに照らして判定

内容やレベルの異なる各資格・検定試験を統一の指標で判定するために用いられるのが、ヨーロッパで使われている欧州言語共通参照枠(CEFR)です。文部科学省が各英語資格・検定試験のスコアとこのCEFR基準の対照表を発表しています。これを見て各試験でどのくらいのスコアを取らなければならないのかが確認できます。それぞれの試験ごとに測れる判定の範囲が異なり、CEFRの全基準に対応しているのはケンブリッジ英語検定だけです。

 #2CEFR対比表(トリミング)
※文部科学省資料をもとに河合塾が作成 ※表中の数値は各資格・検定試験のスコア

※表では各試験(級)で判定可能なCEFRレベルと対象範囲(スコア)との関係を帯で示している。

 帯の上下の括弧内は上限・下限の数値を示す。当該範囲を下回った場合にはCEFRの判定は行われない。

  ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定は、各試験(級)の合格となる範囲を濃い帯で示している。

※TOEIC のスコアは、S&Wのスコアを2.5倍にしたものとL&Rのスコアを合算したもの。

高校3年の4~12月に受験した試験を活用

国公立大学の入試で使用されるのは、受験生が事前に入試に使うことを示す「共通ID」を添えて受検申し込みをした英語資格・検定試験だけです。共通IDを使えるのは高校3年生の4~12月の間に受検する2回の試験です。同じ資格・検定試験を2回受けても良いですし、異なる試験でもかまいません。共通IDを添えて申し込みをすれば自動的に大学入試センターに結果が送られ、各大学は出願者の受検結果を大学入試センターからもらって、どちらか結果の良い方で判断することになります。試験ごとにかなり異なる特徴があるため早めにどの試験を入試に使うのかを決め、その対策をとっておく必要があります。

 T)英語資格・検定試験  各試験の特徴
©河合塾

各大学で異なる英語資格・検定試験の活用法

しかしながら、ここにきて各国公立大学が発表した英語資格・検定試験の活用方法は、点数化して共通テストの英語に加点する大学がある一方、難関国立大学の多くで出願資格として一定の基準を満たせばOKという活用方法になることが徐々に判明してきました。そうなると英語資格・検定試験では各大学の定めた基準さえクリアしていればそこでは差がつかないことになります。また、一部の大学では活用しないと表明している大学も出てきたため、そのような大学では入試の合否に関わる英語の力は、共通テストの英語試験+リスニングと各大学の個別試験で決まることになりそうです。

英語技能養成のポイントは?

新入試ではこれら英語資格・検定試験も含め英語の4技能が問われるようになりますが、ポイントは英語の活用力です。中でもリスニングとスピーキングの音声系は訓練が必要です。河合塾では読解の授業で使ったテキストの英文を全て音声化し、ダウンロードして繰り返し聞けるようにしています。

なぜなら、文章で書かれている英語とネイティブが話す英語は微妙に異なるからです。実際には単語を一つ一つ発音することはなく、つなげて発音されることが多いので、ネイティブの話し方に慣れておく必要があります。その上で自分の声で英語を話す練習も自分の部屋などでやっておくと良いでしょう。声に出すとなかなか話せないものです。いずれにしても音声系は訓練がポイントです。今はいろいろなアプリやソフトがあるので活用すると良いでしょう。

(福永就夫・進学教育事業本部長)

*参考 新入試に関する河合塾情報サイト
変わる大学入試! - 新入試Navi - 

各大学(一般選抜)の英語資格・検定試験の活用方法まとめ 

河合塾 大学入試情報サイト Kei-Net 

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