『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革

文章を書くには、まず、テーマを決めろ!

2019.06.13

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桜木 建二
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ノンフィクションライターの最相葉月さんに聞く、「ノンフィクションを書く力」のつけ方。最相さんは、「文章を書くにはまず、テーマを決めること」と説く。しかし、迷ってしまったり、自信がなかったりで、なかなか固まらないのが、テーマ決めの難しいところではないか。その点について最相さんは、「自分を信じることが大事」と説明しているぞ。

テーマを決めたら自分を信じて書き進めよう!

ノンフィクションの文章を書くには、まずテーマを決めること。最相さんからそう教わったのだが、自分の選んだテーマが、どうもパッとしないように思えるときはどうすればいいだろう。ものを書き慣れていない者からすれば、「これって書くに値するほどのことだろうか?」と、自信が持てなくなってしまいそうなのだが。

そこは、その人の気持ち次第です。そもそも、あらかじめいいテーマ、ダメなテーマという基準なんてありませんしね。そこへ向けてなら自分が歩いていける、そう信じられるものならいいんですよ。

テーマをどこから探せばいいのか迷ってしまう若い世代に、ひとつアドバイスできるとしたら、親や大人がすこしも疑問に思っていないものごと、それを改めて見直したり考えてみたりするといいのでは?

大人はどうしても常識にとらわれて、せっかく身近にある大事なことを見落としがち。そこをあなたたちの新鮮な目でチェックしてみれば、きっと発見がありますよ。

逆に大人の側が気をつけるべきは、子どもが見つけた意外なテーマを、常識という観点に照らして「そんなのダメでしょう」などと決めつけたり、排除したりしないこと。

大人が「何それ?」と思うわけのわからないものほど、掘り下げるとよく膨らむテーマだったりします。大人がするべきは否定ではなく、「へえ!」「それ、やってみれば」と驚き背中を押してあげることです。

コピーは自分を見失わないための道しるべ

さあ、これでテーマは見つけられそうだな。『調べてみよう、書いてみよう』(講談社)には、次なる手順もちゃんと示してある。続いては、そのテーマにキャッチコピーをつけるといいのだ。

なぜなら、
「自分がなぜこのテーマに取り組むのか、何を知りたいのか、何を目指しているのかをはっきりさせるためです」(第二章「テーマを決めよう」から)

テーマに沿って調べたり書いたりと作業をしていくうちに、自分がそもそも何をしたかったのか見失いそうになることはよく起こる。そんなとき、キャッチコピーがあれば立ち戻ることができるのだ。

キャッチコピーのつけ方は、
「最初にテーマを見つけた時に知りたい、聞きたい、体験したいと思ったことをそのまま書けばいいのです」 (第二章「テーマを決めよう」から)

例として最相さんは、著書『東京大学応援部物語』(新潮文庫)を挙げている。東大応援部の学生たちを取材したノンフィクションだ。

東京六大学野球の東大対早稲田の試合をみにいくと、0対19というスコアになった。それでもスタンドに陣取った東大の応援部の学生たちは叫んでいた。

「絶対に! 逆転だ!」

「正気なのか?」と応援部に興味を持ち、取材しようと決意したそうだ。

最相さんが「東京大学応援部」というテーマに対してつけたキャッチコピーはこうだ。

「なぜ彼らは応援し続けるのか」

そう、この言葉があれば、取材を重ねていっても初心を忘れることはなさそうだな。

キャッチコピーをつけたら、次には企画書を書こうと本書は説く。精密なものである必要はなく、大まかな見取り図をつくるぐらいの気持ちでいい。これが書ければ、テーマに沿って何を調べ、取材すればいいかがぐっと具体的になっていくはずだぞ。

企画書に盛り込む項目は、以下のようなもので充分だ。

・タイトル
・テーマ
・キャッチコピー
・テーマを選んだ理由
・話を聞きたい人
・使用する資料
・知りたいこと、調べたいこと、伝えたいこと

(ライター・山内 宏泰)

※この連載の最新版は、LINE NEWS「朝日こども新聞」(月、水、金 8:30配信)で読めます。

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話を伺った人

最相葉月さん

さいしょう・はづき 1963年、東京都生まれ、兵庫県育ち。関西学院大学法学部卒業。会社勤務を経て、ノンフィクションライターになる。精神医療、生命科学、教育などをテーマとしている。おもな著書に、『絶対音感』『東京大学応援部物語』『星新一』『セラピスト』(いずれも新潮文庫)、『理系という生き方 東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』(ポプラ新書)などがある。

『ドラゴン桜2』
作者は漫画家・三田紀房さん。中堅校に成長したものの、再び落ちぶれつつある龍山高校が舞台。学校理事として加わった弁護士・桜木建二が淡白な「現代っ子」たちを東大に合格させるべく、熱血指導するさまを描く。教育関係者らへの取材をもとに制作されていて、漫画を通じて実用的な受験テクニックや勉強法をふんだんに紹介している。2018年1月から、雑誌「モーニング」(講談社)や「ドラゴン桜公式メルマガ」で連載中。

調べてみよう、書いてみよう
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