国語のチカラ ~読解力アップの教科書~

受験直前期の国語学習 メンタルを平静に保つ過去問とのつきあい方は

2019.12.26

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南雲 ゆりか
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いよいよ来月から中学入試シーズンに入ります。関西、埼玉、千葉などは1月スタート、東京、神奈川は2月スタートです。1月に受験を控えている受験生は、もう臨戦態勢に入っていることでしょう。今回は、入試直前の国語学習の注意点についてお話しします。

「本命校の過去問」は入試直前に新たに解かない!

できるだけメンタルをフラットに保ち、気持ちよく入試日を迎えるためです。

私が大手塾の講師をしていたときのエピソードをひとつご紹介しましょう。

1月31日。入試を控えた塾生たちに電話かけをして、「明日からがんばるようにね」と激励していました。ほとんどのお子さんは、いつもと変わらない元気な様子で、しっかりと話をしてくれたのですが、電話口で泣き出した子がいました。

訳をたずねると、「今日の朝、明日、受験する学校の過去問を解いたら、ひどい点数だった」と言い、かなり取り乱していました。私は「今日はたまたま問題との相性が悪かっただけ。明日もその問題が出るわけではないから、大丈夫!」と励ましましたが、その子は自信喪失したまま当日を迎え、残念な結果となりました。

前日に本命校の過去問に取り組んで、よい点が取れれば自信につながります。でも、繊細なお子さんは、間違えたことを引きずってしまう可能性があります。

入試直前は、体調だけでなく、メンタル面も、入試日に照準を合わせて調整していくのがベストです。本命校の過去問は、入試日の2週間前くらいには済ませ、入試直前の数日間は心穏やかに過ごすようにしたいものです。

入試直前の本命校の過去問とのつきあい方としては、これまで解いたものにもう一度目を通して解き方を確認するなど、「振り返り」をおすすめします。答案用紙を保管していれば、それを見返しながら、「初めのころはこんな簡単なところで間違えていたのに、今はできるようになった」などと、自らの成長に気付くこともできます。

添削してもらった答案のコメントを見直して注意点を確かめておくのもいいですね。一度解いた記述問題の答案を、本文を読み返しながら一から書いてみるのもよいでしょう。

感覚を鈍らせないためにやっておきたいこと

一方、制限時間内に集中して問題を解く感覚を、鈍らせないようにすることも必要です。その際に使う問題としては、まだ手をつけていない塾の教材や、受験しない学校の過去問がいいでしょう。

過去問は新しい年度のものにしましょう。その年度に注目された作品なら、今後も数年間にわたって、いろいろな学校で出題される可能性があります。受験しない学校の問題ですから、点数をつける必要はありません。出来がいまひとつでも、気に病まずに済みます。よくできていれば、もちろんおおいに喜んでください。

自分の受ける学校と似た出題形式の問題を選んでもよいですし、そうでなくても構いません。オーソドックスでくせのないものや、保護者が文章に目を通して、読ませたいと思ったものを選んであげてもよいでしょう。

入試直前、国語にかける学習内容のメニューと時間の目安は以下の通りです。

【直前期のメニューとかける時間】

(A)受験しない学校の過去問、まだ手をつけていない塾の教材。解くのに50分くらい(制限時間)、解いた問題の点検に60分くらい。
(B)これまで解いた本命校の過去問の見直しを30~60分くらい。
(C)漢字、ことわざなど知識問題のおさらいを20分くらい。
(D)+αで読書10分くらい(本や小学生向けの新聞などでもよい)。

<国語が得意なお子さん>

上記の(A)か(B)を2~3日に1度、(C)は、気になったときに振り返る程度で十分です。(B)は30分くらいで終わらせます。

<国語が苦手なお子さん>

上記の(A)(B)いずれか一方を毎日取り組むようにしましょう。(B)には60分くらいかけます。加えて、(C)(D)も毎日やりたいところです。

入試と同じ時間割でリハーサルをしよう

学校にもよりますが、入試の時間割で1時間目が国語になっていることが多いと思います。1時間目は、緊張して肩に力が入ってしまい、素材文を読んでいても頭に入ってこないこともあるでしょう。でも、練習すれば、たとえ緊張していても、スピードを上げて読み、内容をとらえることができるようになります。

そこで、休みの日の朝など、本番の試験と同じ時間帯に、リハーサルのつもりで集中して、先に紹介した(A)に取り組んでみましょう。

本番と同じように机の上に筆箱を出さず、消しゴムふたつ、鉛筆やシャープペンシル数本を輪ゴムなどで束ねて転がらないようにして置く、というやり方で緊張感をもって臨んでください(机上に置けるものは学校によって指示が異なるので、事前に調べておきましょう。合格鉛筆など、漢字表記のある筆記具が禁じられている場合もあります)。

解き終えたものは大人がチェックして一緒に解説を読んで点検するか、お子さん自身が自分で解説を読んで直すかします。

自信を持って本番に臨めるようにするための練習ですから、間違えたところを気にするのではなく、「よいペース配分で解けた」「文は難しかったけれど思ったよりできていた」など、プラスのとらえ方をしましょう。

リハーサルの量や頻度はお子さんの状況によって異なりますが、試験前の数日間であれば1、2回でよいと思います。

入試直前、不安は尽きないと思います。ただ、自信がなくて落ち着かない状態だと文章を読んでも内容が頭に入ってこなかったり、記述答案が書けなくなってしまったりするでしょう。多少の取りこぼしがあっても合格点に到達すればよいのですから、「できるようになったこと」に目を向けるようにして、「今の自分の力を100%出すこと」ができるように、サポートしてあげてください。

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