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東京23区以上の校地面積持つ北海道大 「Be ambitious.」精神受け継ぐ学びとは

2019.12.25

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原子 禅
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東京23区の総面積を上回る約660平方キロメートルの校地面積を持つ北海道大。その95%以上は研究林で、農学のほか、昆虫などの生物学の研究に使用されている。JR 札幌駅からほど近い札幌キャンパスも、東京ドーム約38個分の広さがあり、全国から集まった多彩な学生たちが学んでいる。※上の写真は北海道大札幌キャンパス内にある札幌農学校第2農場の牧牛舎(写真提供/北海道大)

専門分野を超えた学びを

国立大学では最多となる12学部を擁する北海道大。前身の札幌農学校の流れをくみ、さまざまな研究フィールドを持つ農学部をはじめ、薬用植物園がある薬学部、函館に練習船を持つ水産学部など、各学部に特徴的な教育研究施設がある。その多様さは、「学びの幅広さ」にもつながっている。

「本学の1年生は総合教育部に籍を置き、多くの学生が一般教育演習(フレッシュマンセミナー)を履修します。そこでは広大な研究林でのフィールドワークや、練習船での海上演習など、座学だけではない学びを体験できます。これは自分の専門以外のことにも目を向けるきっかけになると考えています」

理事・副学長の長谷川晃教授はこのように話す。海上演習では、約40人の学生が水産学部所有の「おしょろ丸」に乗り、3泊4日にわたり、海洋観測やイカ釣りなどを体験。自然環境への理解や共同作業によるコミュニケーション能力の向上を目指す。

2年次以降も所属学部での専門教育以外のことを学べる仕組みを用意しています。これからの時代は『人間・社会・自然の調和』がより重要になるでしょう。その実現のためには、専門分野以外の幅広い関心や知識が必要になります」

北海道大理事・副学長の長谷川晃教授。額に飾られた書は新渡戸稲造直筆のもの(撮影/朝日新聞出版写真部・片山菜緒子)
北海道大理事・副学長の長谷川晃教授。額に飾られた書は新渡戸稲造直筆のもの(撮影/朝日新聞出版写真部・片山菜緒子)

フェローに出会い、実社会とつながる

学部横断的な教育プログラムのひとつに2013年に創設された「新渡戸カレッジ」がある。

「北海道大の前身・札幌農学校の2期生であり、教員としても在籍していた新渡戸稲造の名を冠したこのプログラムは、グローバル化に対応するリーダーの育成を目的として創設されました」

同カレッジの副校長である山口淳二教授はこのように説明する。このプログラムは学部新入生、および2年生の希望者から200~250人程度を選抜し、実践的な英語学習に加え、リーダーシップ養成のためのグループワークなどを行う。留学が必須となっているほか、学部卒業後、大学院でも学べるプログラムが用意されている。

「これらに加えて特徴的なのは、同窓生に協力いただいている『フェロー制度』です。さまざまな分野の第一線で活躍されている同窓生が、フェローゼミと名づけた、現地視察に基づく問題発見・解決型グループワーク中心の授業を担当するほか、学生一人ひとりと対話を行います

フェローたちとの交流を通して、学生たちは実社会とのつながりが生まれ、大学で学ぶ意義や卒業後の自分の進路をより意識するようになるという。

「社会に貢献できる人材の育成にとって、ロールモデルであるフェローと実際に会えるのは重要なことだと考えています。今後、このカレッジの修了生がフェローとして戻ってくるような好循環を作りたいですね」

新渡戸カレッジ副校長の山口淳二教授は「各種の奨学金など留学支援制度も充実しています」と話す(撮影/片山菜緒子)
新渡戸カレッジ副校長の山口淳二教授は「各種の奨学金など留学支援制度も充実しています」と話す(撮影/片山菜緒子)

多様性にあふれた環境で自己実現を

毎年約2600人が入学する同大だが、北海道内からの進学は3割ほどで、首都圏や関西圏をはじめ全国から学生が集まる。これも同大の特徴のひとつだと長谷川晃副学長は話す。

全国から集まった専攻の違う学生たちが、同じキャンパスで学ぶ。これにより多角的な視点が養われるはずです

同大の礎を築いたクラーク博士は、米国に帰国する際、「Be ambitious.」という言葉を学生たちに贈った。

「学生には、学問的にも人物的にも多様性にあふれたこの環境で切磋琢磨し、自分の進むべき大志を見つけてもらいたいです」

写真中央の緑が多い場所が北海道大札幌キャンパス。左下の森林部は北海道大植物園(写真提供/北海道大)
写真中央の緑が多い場所が北海道大札幌キャンパス。左下の森林部は北海道大植物園(写真提供/北海道大)

メモ

北海道大学 1876年に設立された札幌農学校が起源。教育理念は「フロンティア精神」「国際性の涵養」「全人教育」「実学の重視」。本部所在地は北海道札幌市。学部学生数は1万1311人(2019年5月1日現在)。

校地面積は東京23区以上 北海道大ならではの学びと体験

<コラム>校地、校舎面積が変わる理由は、学部新設などで新しいキャンパスをつくったり、既存のキャンパスを拡大したり閉じたりすることだ。2010年以降、いくつかの大学でキャンパスが新設されている。たとえば関東では東京理科大、東京電機大、東洋大、明治大、武蔵野大、関西では関西大、立命館大などだ。大規模大学では学部、学年によってキャンパスが分かれるところが多く、全学部が一つの校地におさまっているケースは少ない。

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