国語のチカラ ~読解力アップの教科書~

中学入試の国語 ふだんのペースで、できる問題を確実に 読解は素材文に戻って解く

2020.01.09

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南雲 ゆりか
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入試本番では、持っている力を存分に発揮したいものです。でも、いつもと違う環境だと、気後れしてしまうお子さんもいることでしょう。その対策として、試験会場で陥りがちな状況を予想できる範囲で挙げ、そのときの行動を決めておけると安心です。会場では、何かが起こっても、お子さん自身で判断して、解決しなければならないからです。今回は、入試当日とその後のアドバイスをいくつかご紹介します。

「国語」の試験が始まったら

基本中の基本ですが、受験番号と名前は必ず最初に書きましょう。

試験中に一番排除したいのは、「気負い」の気持ちです。「このテストで合否が決まる!」という思いが頭に浮かんで、つい力んでしまうお子さんがいます。そのときにありがちなのは、ふだんより速く解いたり、逆にていねいにやりすぎたりして、いつもの調子が狂ってしまうパターン。

もし、自分で「力んでしまっているかな……」と感じたら、ふだん通りに集中して解くために、「今日はいつもの模試と同じだ」と暗示をかけてみましょう。

試験問題に取り組む姿勢として大切なのは、時間配分を考えながら、「自分ができる問題はしっかり点を取ること」です。「難しいな……」と思っても、焦ることなかれ。ほかの受験生も同じように感じていると思うようにするのが、賢明です。

問題を手に取ったら、漢字や言語要素の独立問題から始めましょう。読解問題から先に取り組んでしまって、意外と手のかかる問題だったときに、時間切れで漢字などに手をつけられなかったらもったいないからです。

読解は、思い込みで解かないことが大事。必ず素材文に戻ることを忘れないようにしましょう。 

国語の試験中に陥りがちな状況とその対処法

【トラブル1/漢字や言語要素でわからないものが複数あった】

学校側が難しい問題を出しているということかもしれません。自分がわかるものはしっかり書き、そのほかはあまり考え込まずに、解答欄を埋めておくか、とばすかして、テンポよく進めましょう。知識問題の配点は1~2点くらいです。大きなダメージにはなりません。

【トラブル2/素材文を一読したものの、内容が頭に入ってこない】

内容が詳しくつかめていなくても、焦らないようにしましょう。問題を解きながら素材文に戻って確認すれば、だんだんと内容が整理されてくるものです。解きながら理解は深まります。はじめに一読する段階で、すみずみまで理解しようと時間をかけすぎないようにしましょう。

【トラブル3/過去問よりも、素材文が難しかった】

やはりどの受験生も同じように感じているはずです。トラブル2でも説明したように、焦らずに、問題を解きながら理解していきましょう。

たくさんの過去問を見てきた経験から思うのは、素材文が難しいときでも、基本的なことをきく問いが必ず出題されるということです。

一般的に、学校側は受験者平均点60点くらいを想定して問題を作成するといわれます。素材文が難しくても、文章を読めば解けるような問いを出すものなのです。

また、試験によって幅はありますが、正答率50%以上の問題の点を合計すると、合格者平均点前後になることが多いのです(設問ごとの受験者正答率を公表している学校もあるので、確かめてみてください)。

つまり、ここでも言えるのは、みんなが解けるものさえしっかり解ければいい、ということですね。

【トラブル4/となりの席の受験生が勢いよく解いていて圧倒される】

隣の受験生のシャープペンシルや鉛筆の音が気になって……、という生徒の声をよく聞きます。スピード勝負ではありません。まわりのことはすべてシャットアウトして、自分と机の上の世界に没頭しましょう。

【トラブル5/記述の解答がうまくまとまらない】

書いたり消したりを繰り返して時間を費やさないようにしましょう。記述は部分点をもらえれば及第点ですから、とりあえず書いておいて時間があれば戻って直しましょう。

【トラブル6/過去問よりも文章が易しく、問いも簡単な気がした】

簡単に思えるときほど、セオリー通りの解き方をすることが大事です。素材文に戻って答えを確認するプロセスを省かないようにしましょう。「浅き川も深く渡れ」。くれぐれも、思い込みだけで解いてしまわないようにしましょう。 

国語の試験が終わったあと

国語の試験中に頭の中に浮かんだ不安や心残りは、さっと忘れてしまいましょう。

「よくできた」という手応えがなくても、気にする必要はありません。ほかの教科で挽回しようと気負う必要もありません。

逆に「よくできた」と感じた時も同じで、浮かれた気持ちで次の試験に臨まないようにリセットしてください。

よく集中して冷静にテストを受けた受験生ほど、自分がどこでまちがえたかを自覚しています。できなかったところが気になるなら、よいテストの受け方ができているのだと自信を持ちましょう。

また、友だちと答え合わせをするのは、おすすめできません。「難しかったね」と声をかけ、相手が「簡単だったよ?」と応じたら、どんな気持ちになるでしょう。なるべく話題にしないのがいいでしょう。 

入学試験を終えたお子さんへの接し方

お子さんの感想から合否の予想はしない方がよいでしょう。

試験会場から出てきたお子さんに、「どうだった?」と聞かずにはいられない親心もわかります。私も、わが子の受験のときはそうでした。

でも、まずは、無事に試験を終えられたことを喜び、「ちゃんと受けられてよかったね」とねぎらってあげてください。

国語は自分の答えで合っていたのかどうか、自己診断しにくい教科です。特に、記述問題などは、自分の解答は正しいはずだという確証がなかなか持てないもの。お子さんが自信喪失しているようでしたら、「大丈夫、大丈夫」と声をかけてください。塾の先生に電話をして励ましてもらうのもよいと思います。 

受けた試験の振り返りは?

首都圏の受験生は、2月の本命校に向け、前哨戦として1月入試を受ける人も多いでしょう。その場合は、1月に受けた試験の復習をするのはプラスになります。私も1月校の解答出しをして、希望者に「反省会」をすることがあります。反省会といっても、だめだったところを叱るのではなく、お子さんと一緒に分析をするのです。よい解き方をしていればおおいにほめ、「今後も同じように試験を受けておいで」と励まします。

一方、入試の合否がわからないまま、翌日も試験を受けに行くような場合は、即日発表される解答速報などは見ない方がよいでしょう。

解答速報のほとんどは学校が公表するものではありません。記述の解答例など、それが本当に正解なのかどうかはわかりません。もしかしたら、自分の書いた答えの方が正しかったかもしれないのに、解答速報と違えば不安になりますね。

書けなかった漢字の正解を確認する程度ならかまいませんが、明日も試験がひかえているなら、終わったテストのことなど考えずに、翌日のテストで力を発揮できるように準備をしてください。 

入試当日は、学校の前には大勢の塾の先生方が詰めかけて応援をしているので、びっくりするかもしれません。先生方はどの受験生にもがんばってもらいたいとねがっています。その場の雰囲気からパワーをもらって、自分の力にしてしまいましょう!

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