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高校入試の理科、問題と答えの「逆引き」で理解深めて 大学入試は3ステップを意識

2020.01.15

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山内 慶吾
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効果的な勉強方法について教科(科目)別に解説しています。最終回は理科編。科目(分野)が細かくわかれ、覚える内容も多岐にわたることから、苦手意識をもつ中高生も少なくありません。高校入試、大学入試に向けて大切な視点を早稲田アカデミーの西川淳さん(高校受験部主任)と高橋龍太さん(大学受験部教務主任)に聞きました。

高校入試:知識を「逆引き」 分野を超えて理解を深める

理科の勉強に一問一答式の問題集を使っている人も多いと思います。でも、西川さんは「丸暗記ほどつまらないものはない」と考えます。文章(問題)と用語(答え)を1対1で覚えるだけでは知識を働かせる範囲が広がらず、「点」のままだからです。

たとえば二酸化炭素。「○○は何ですか」「二酸化炭素」と取り組むだけではなく、逆引きするのも一つの方法です。主語を「二酸化炭素は~」とすると、化学の分野なら「空気の約1.5倍の重さ」、生物の分野なら「植物の光合成に欠かせないもの」と、分野をこえて知識がつながるといいます。

また、気になることや興味をもったことは参考書や資料集をチェック。そのときに説明を書き写すだけではなく、自分なりのことばにかえたり、説明から問題をつくったりしてみます。これからの入試で求められる主体性や表現力もより高められます。

理科は学年ごと、単元ごとにそれぞれが独立しています。西川さんは「今やっていることは、今しっかり終わらせるという気持ちで取り組むのが大切」と話します。取り入れたいのが「アウトプット(発信)」。教科書に準拠している問題集を解いたり、授業で教わった内容をまわりの人に説明したりすることで理解を深めます。

一つの単元を終えたら過去問(実際の入試問題)に挑むのもいいかもしれません。中1や中2のみなさんも先生に相談し、習った単元から出題されている大問を取り出してもらい、解いてみます。

受験をひかえた中3は過去問の得点に気を取られがちですが、西川さんは「解きっぱなしは厳禁。まちがえた問題はその原因を明らかにして解き直し、難易度が高い問題は解説を読んで理解します。まちがいを次にいかしてください」と話しています。

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大学入試:「教科書うのみ」→「他分野に応用」3ステップで身につける

大学入試を念頭に置いた理科との向き合い方には三つのステップがあります。ステップ1は「教科書をうのみにする」こと。教科書の内容は先人が研究してきた科学の歴史そのものです。法則や定義(定理)を自分のものにして、公式にしたがって正しく計算できるようになることをめざします。

ステップ2は、「教科書をうのみにしつつ、うのみにしない態度で臨む」こと。高橋さんは「理解した内容に疑問をもち、そのうえで理由や原因を追究する姿勢」と説明します。ステップ3は「ほかの分野に応用する」こと。ある事象について原理(原則)にあてはまらず、矛盾しているように思えることがあるとき、別の分野の知見を利用することで原理にのっとった説明がつく場合があります。こうした視点をもつことが欠かせないといいます。

誤差をふくみながら測定値として意味がある「有効数字」を例にステップ1~3の考え方を具体的に紹介すると……指示通りに計算するのがステップ1、「なぜそこまでの桁が有効なのか」と考えるのがステップ2、自分で実験をおこない、得た数値に「誤差なのか意味があるのか」と考察するのがステップ3といった具合です。

文系の大学(学部)をめざす場合、確実にステップ1を身につけます。たとえば将来、国際政治の観点から環境問題に取り組むことになったとき、研究者の説明が適切かどうかを自身で判断しなければなりません。ステップ1について高橋さんは「理系の専門家と話すための教養」と位置づけます。

理系をめざす場合、ステップ2まで習得すると多くの国公立大、ステップ3までだと東京大や京都大、医学部などの合格が視野に入りそう。高橋さんは「未知のものに対処する科学的な見方を受験を通じて身につけて」と話しています。

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 ※朝日中高生新聞2019年12月15日付

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