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日本の15歳、読解力低下 「論理」を学び、「文学」も楽しめる教材とは

2020.01.22

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関口 修司
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  • 経済協力開発機構(OECD)の2018年国際学習到達度調査(PISA)で、日本の15歳の読解力が15位に低下
  • 理由は、論理的な文章や実用的な文章を読む経験が少なく、複数の文章・資料を読み解いたり比較・検討したりする体験が乏しいこと
  • 新聞の論理的な文章や実用的な文章を先生が授業で活用し、子供たちが家庭で日常的に新聞を読むことが大切。新聞なら「論理」を学び、「文学」も楽しむことができる

論理的・実用的な文章を授業で活用、家庭で日常的に読むことが大切

PISA調査、15年に続いて順位低落の理由は?

昨年12月4日、新聞の1面に「『読解力』続落 日本15位」などの見出しが躍りました。経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに15歳を対象に実施する国際学習到達度調査(PISA)の2018年の結果が発表されました。03年の調査で日本の読解力の順位が14位に急落、「PISAショック」と呼ばれました。06年の15位の後は、09年8位、12年4位と持ち直していました。15年の8位に引き続き、今回の結果は残念ですが、疑問も残りました。

前回同様、教育現場のICT(情報通信技術)対応の遅れが原因、との見方が有力です。しかし、私はもっと単純に考えるべきだと思います。日本の子供たちが設問のような文章の読み方に慣れていないのだと考えます。論理的な文章や実用的な文章を読む経験自体が少ないのです。複数の文章・資料を総合的に読み解いたり比較・検討したりする体験も乏しく、長文や自由記述にも不慣れです。

高校の国語改革、「文学作品に触れる機会減る」と懸念も

そこで気になるのが、22年度から年次進行で実施される高校の国語改革をめぐる議論です。文部科学省はPISA調査や全国学力・学習状況調査、社会的な要請などを受け止め、様々な教育改革を進めています。このうち、学習指導要領改訂をめぐって、選択科目への「論理国語」「文学国語」新設に批判があります。国語の先生方や文学関係者の間から「選択科目になると、入試を考えて『文学国語』を選ばずに『論理国語』を選ぶ生徒が多くなり、文学作品に触れる機会が少なくなる」との懸念が出ているのです。

関口コラム2

文学の重要性を否定する人はいないでしょう。文学は感性を磨き、心を豊かにします。しかし、当然のことながら学校教育には授業時数制限があります。文学に多くの時間をとれば、生徒が論理的な文章はもちろん、実用的な文章さえも十分に読めないまま社会に出ていくことを看過することになります。どちらも小・中・高校での体系的な指導内容の見直しが必要です。

そこで重要な役割を果たすのが新聞です。新聞に並ぶ論理的な文章や実用的な文章を先生が積極的に授業の教材として活用すること、子供たちが学校図書館で資料として使い、家庭で日常的に新聞を読み、家族で対話したり意見交換したりすることが大切です。新聞には連載小説や随筆、詩歌も掲載されています。新聞なら「論理」を学び、「文学」も楽しむことができるのです。

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