我が子が伸びる塾選び

大手・小規模・個別指導…わが子に合うのはどれ? 塾ソムリエに聞く選び方のコツ

2020.01.28

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葉山 梢
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我が子は学習塾に行かせたほうがいいの? 行くならどんな規模、雰囲気? 学びをめぐる悩みは尽きません。専門家に塾選びのポイントを聞きました。

話を伺った人

西村則康さん

塾ソムリエ

(にしむら・のりやす)プロ家庭教師集団「名門指導会」代表、中学受験情報サイト「かしこい塾の使い方」主任相談員。40年以上、難関中学・高校受験指導を行う。「難関校合格のすごい勉強習慣」(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。

小学4~6年生の塾選びは、中学受験をするかどうかと、親がどのくらいサポートできるか、塾の方針が子どもの性格に合うかがポイントになります。

我が子が伸びる塾選び

◆大手進学塾
受験動向などの情報が豊富で、しっかりとしたテキストやカリキュラムが整備されている。1学年に複数のクラスがあり、成績順で分けられる。
◆小規模進学塾
地域密着型で、個人の状況に合わせて対応してくれることが多い。中学受験コースと補習コースの両方がある塾も。
◆個別指導塾・家庭教師
一人ひとりに特化した指導を行う。大手進学塾に通う生徒がサポートとして指導を受けるケースもある。
◆ 通信教育・家庭学習
費用が安く、自宅で個々のペースに合わせて勉強できる。進研ゼミやZ会には中学受験コースも。授業の動画を配信している大手進学塾もある。
◆塾の公立中進学コース・学習教室など
大手や中小規模塾の公立中進学コースでは補習や先取り学習ができる。全国展開の公文式や学研の教室などに通う手も。

塾選びの3大チェックポイント

1 志望する学校のレベルに合っているか

2 保護者のサポートはどれくらい必要?

3 雰囲気は子どもの性格に合っているか

中小塾は入る前に必ず面談を

中でも中学受験をする場合は、塾選びが合否を左右することもあるため、とても重要です。本気で中学受験を考えるなら、まずはノウハウを持っている大手をお薦めします。すでに志望校が決まっていれば、その学校の合格実績を塾ごとに比べてみましょう。 

大手の場合、同じ塾でも校舎ごとに特徴が違うこともあります。通える範囲に複数の校舎があるなら、足を運んで比べてみてください。

難関校にこだわらないのであれば、地元で評判のいい中小の塾も選択肢になります。大手や、校数を急速に拡大している塾は先生が不足気味で、なかには経験の浅い先生もいます。ベテランの先生がいる中規模の塾や、力量のある塾長が経営する個人塾が近所にあれば、検討する価値はあります。

ただ、中小塾の情報は口コミで集めるしかありません。入塾前に必ず面談し、信頼できそうか確かめてください。むやみに自信がありそうだったり、断定口調が気になったりする場合は避けた方がいいでしょう。カリキュラムが明示されているか、大手の模試を活用しているかも大事なポイントです。

共働きの中学受験は本当に大変です。親が子どもの勉強に付き合うことが難しい場合は、自習室や質問時間のある塾が望ましいでしょう。

テキストがなく大量のプリントが配られる塾もあります。子どもが整理するのは難しいので、親の負担となることは覚悟しましょう。

現段階でお子さんの基礎学力はついているでしょうか。進学塾は小4からいきなり受験勉強に入ります。「読み・書き・計算」の訓練ができていないと、問題の解き方は理解できても正解に たどり着けないということが起こりえます。自信がない場合は、授業のスピードが比較的緩やかな塾がお薦め。余裕がある4~5年生のうちに基礎学力を鍛え直せます。1クラスの人数が少ない小規模塾も、一人ひとりに合わせて宿題を出すなどの対応をしてくれるところがあります。

合わない場合は「転塾」も

大手の中には、体育会系で叱咤激励型の指導方針の塾があります。たくましくエネルギーにあふれているようなタイプは伸びますが、繊細な子は萎縮してしまいます。逆に、強く叱ることはほとんどない塾もあります。言われなくてもやるタイプの子はいいですが、そうでない子は野放しになってしまいます。

大規模でクラス数の多い塾は、クラスが頻繁に上下するので、負けん気の強い子には励みになります。ただ、子どもも親もクラスを気にしすぎてプレッシャーになってしまうようなら、同じ塾でも小規模な校舎に移った方がいいでしょう。

こんな点にも注意

授業の進度→速すぎると余裕がなくなる

通学時間→自宅から30分以内の範囲で

費用→教材や特別講習の費用も念頭に

家庭教師や個別指導でも先生の力量があれば受験対応は可能ですが、かなりの費用を覚悟しないといけません。安いところは指導力もそれなりです。

入った塾が合わない場合は「転塾」も検討しましょう。タイミングは、学年が上がる時期や長期休みの前後が良いでしょう。ただ、成績が上がらないのは塾のせいなのか、先生との相性が悪いのか、子どもに問題があるのかを見極めてください。同じ塾の違う校舎に移る「転校」やクラス替えで、先生が替わるだけで成績が復活するケースもあります。カリキュラムの進度が遅い塾から速い塾への転塾は難しいので、迷ったら最初は進度の速い塾に通った方がいいでしょう。

我が子が伸びる塾選び

〈メモ〉文部科学省の2018年度の全国調査によると、子どもを公立小学校に通わせる保護者が1年間に学習塾に支払った平均額は、子ども1人あたり約13万6千円(年間1円以上支出者のみの平均)。ただ、西村さんによると、大都市圏の大手進学塾の中学受験コースに小4~6年の3年間通わせると、総額で200万~250万円程度になることもあるという。月謝に加え、長期休み中の講習や志望校別の特訓、教材費、模試代などがかかるためで注意が必要だ。

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