小論文は新聞で攻略!

小論文対策に新聞を活用しよう 代ゼミのカリスマ講師・船口明さんが解説

2020.02.21

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EduA編集部
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小論文指導のカリスマ講師、船口明さんは「小論文指導で成果を出している高校の先生は新聞を使っている」と言います。使い方、学び方を中心に解説してもらいました。

  • ①どう使う?→エビデンスにして説得力を持たせよう
  • ②どう学ぶ?→志望学部と関連する記事をスクラップ

新聞は宝の山 活用しよう

AO入試・推薦入試の定員割合が増え、小論文の重要性は以前より増しています。入試改革の方向性をみても、記述力重視の流れは変わりません。それは、大学が「高校のうちに書く力を身につけて欲しい」と考えているからです。今は高校生が本当に文章を書けない。入学後に大学が、基本的な文章の書き方から再教育しているのが現状です。

もう一つは、社会の出来事や将来についてちゃんと自分の考えを持っているのか知りたいと考えている。新聞から出題するのは「高校のうちに、記事を読んで“頭を耕して”おいて」ということでしょう。

小論文を指導する立場から言えば、新聞は「宝の山」。別に、新聞社相手だから言うわけじゃないですよ(笑)。様々な分野について、代表的な専門家の最新の論考がコンパクトな文章で読めます。課題図書を何冊も読むよりずっと効率的です。

問題を作成する大学の先生にとっても、自分の専門外の分野についての課題文を出題しようとすると、新聞は使いやすい。最近であればAI(人工知能)SDGs(持続可能な開発目標)は頻出トピックスです。今年度では、世界保健機関(WHO)がゲーム依存症を精神疾患として認めたニュース。僕の授業でも使いました。これらはどの学部を目指すにしても読んでおいた方がいいでしょう。

小論文のうち、提示した文章を読ませて論文を書かせる「課題文型」では、まず記事を200字に要約させてから自分の意見を論述させる出題形式があります。気をつけたいのは、要約がダメだと「読み取りができていない」と判断され、後の論文部分を読んでもらえなかったり、大きく減点したりします。「書く力」と同時に、その土台となる「読む力」「読んだことをまとめる力」も身につけておきたいですね。

ポイント①どう使う?→エビデンスにして説得力を持たせよう

船口5

自分の意見を書くだけでは「論文」になりません。「専門家の中にはこういう意見もある」と対論を挙げて自説を相対化したり、「こういうデータもある」と客観的な根拠を示して説得力のある論を展開しなければなりません。新聞記事はその論を支えるエビデンスになります

例えば、世界保健機関(WHO)が疾患と正式に認めた「ゲーム依存症」について。生徒たちに書かせると「依存者はかなり多い」「他の興味を持てるようにすべきだ」「親が無理やり取り上げてはいけない」などと書いてきます。でもこのままでは単なる個人の意見です。そこで、例えば厚生労働省のデータを引用して「クラスの7人に1人の割合だ」と示したり、この分野の第一人者で、国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進医師の意見で自説を補強したりする。全て新聞から得られる情報です。

医学部(特に私立)を目指すような生徒は、論文対策をしっかりしている受験生も多いので、「脳の前頭前野の機能が低下すると」など、記事で蓄積したエビデンスを効果的に使って書いてきます

ポイント②どう学ぶ?→志望学部と関連する記事をスクラップ

毎日の新聞の中から、目指す学部に関係する記事を見つけてスクラップするのは効果的です。大切なのは、紙面から自分で記事を探し出すことです。

ある高校の実践例を紹介すると、まず「看護学部」「教育学部」「医学部」など、志望別に4人程度のチームをつくる。チーム内の各生徒に、それぞれ「朝日新聞係」「読売新聞係」「地元紙係」など担当者を決め、志望学部に関する新聞記事をスクラップさせる。そして自分がスクラップした内容について、チームのみんなに説するわけです。その新聞は自分の担当ですから責任重大。何よりスクラップをサボれない(笑)。その結果、新聞を開くことが習慣になりますし、他の人のまとめを聞くことで「こんな捉え方もあるんだな」と知って、知見が広まったりします。

家に新聞

講演で保護者から「子どもに新聞を読ませる方法は」と聞かれることがあります。私は「まず親が新聞を開くことが大切ですね」と答えます。

家で新聞をよく読むという子に理由を聞いてみると、「親が読んでいるからごく普通に」と答える子が圧倒的に多い。「食卓に座ったらとりあえず新聞を開くのが習慣だ」とか、「父親が広げた新聞が目にとまって、気になる記事をちょっと読む」とか。

書店で本と出会うように、家に何げなく紙の新聞がおいてあれば、記事が目にとまる。「新聞は家庭の文化」と言った敬愛する先生がいますが、まさにその通りだと思います。

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