子育て世代のお金ナビ

初めての確定申告、手続きの基本を教えて すべての所得や控除、漏れなく記載を

2020.02.20

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坂本 綾子
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子育て世代のお金の悩みに、子育て世代のファイナンシャルプランナーがお答えするコラムです。

Q. 医療費控除、明細書の作成が大変そうで…

《相談例》
昨年は私が手術を受けたり、子どもが歯の治療をしたりして医療費がかさんだので確定申告をしようと考えています。これまでは年末調整だけで済み、ふるさと納税の寄付金控除もワンストップ特例が使えたので税務署に出向くのは今回が初めてです。どんな準備が必要で、どのように手続きするのか、確定申告の基本と注意点を教えてください。

《相談者はこんな人》
千葉県在住、パート勤務の女性43歳。家族は会社員の夫(42歳)、大学1年生の長男(19歳)。賃貸マンション(昨秋の台風で床上浸水し、自家用車や家財の買い替えが発生)。
・手取り収入=年収440万円(夫)+30万円(夫の副業のネットショップの売り上げ)+40万円(妻パート、入院後の自宅療養により例年の半分)
・支出=年間で420万円くらい(長男学費は別)。昨年かかった医療費は家族合計で30万円程度(保険金で補てんされた分を除く)
・貯蓄/運用=普通預金250万円、定期預金200万円、教育費積立200万円
・保険料と保障内容
(夫)生命保険(死亡2000万円、保険期間50歳まで)=月3400円、自動車保険=年2万3000円
(妻)共済(病気死亡400万円、病気入院日額1500円)=月1800円
※長男はアルバイトをしている(年70万円)

A. 医療費通知や保険給付の証明書、源泉徴収票などそろえて

昨年はお金がかかることが複数、発生して大変でしたね。医療費がかさんだり、災害や盗難などで損害を受けたりした年は、税金が安くなる仕組みがあります。原則として年末調整がある会社員や公務員といった給与所得者は確定申告を行う必要はありませんが、自分で確定申告しないと受けられない控除があります。代表的なものが医療費控除ですね。

領収書は全部取ってあります。

領収書をもとに医療費控除の明細書を作成して、確定申告書に添付します。現物の領収書の添付は不要で、自宅で5年間保存しておけば大丈夫です。入院費など大きな医療費だけでなく、その年にかかった医療費全額を、生計を一にする親族の分も含めて合算できます。通院に利用した公共交通機関の料金や市販のかぜ薬も対象です。

家族全員の分だとかなりの枚数になります。記入するのが面倒そうですね。

明細書のフォーマットは国税庁のサイトからダウンロードできます。手書きが面倒な人にはエクセル版もありますよ。健康保険組合から送付される「医療費のお知らせ」(医療費通知)に記載された分は、これを添付することで合計額のみの記入で済みます。また国税庁のサイト内にある「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、ネット上で医療費控除の明細書と「確定申告書」を作成することもできます。これをプリントアウトして税務署に持参、または郵送します。 ネット申告には電子証明書を取得するなどの事前準備が必要となりますが、電子申告・納税システムe-Tax(イータックス)も利用できます。

申告方法にもいろいろあるのですね。

医療費控除の場合、高額療養費制度で医療費が戻ったり、個人加入している医療保険から入院給付金を受け取ったりした場合は、医療費からその分を差し引きます。差し引き後の金額が10万円または所得の5%を超えているなら、その分を医療費控除として所得から引くことで、税金が安くなります。 健康保険や医療保険で補てんされた金額を記入する必要もあるので、医療費の領収書に加えて、健保組合や医療保険からの給付の金額がわかる書類も用意しておくとスムーズです。

ざっと計算すると、保険からの補てんを差し引いて30万円かかったので、約20万円を控除できるということですね。税金はどれくらい戻るのでしょうか?

目安は控除額×所得税率です。Aさんの場合、収入や家族構成から、所得税率は5~10%と推測されます。だとすると還付金は1万~2万円程度でしょうか?

家族で外食できそうな額ですね。 やる気が出てきました。

昨年もふるさと納税はしましたか? 給与所得者が確定申告を行う年は、ワンストップ特例を申請していても、確定申告書の寄付金控除欄にふるさと納税の金額を記入します。これを忘れるとふるさと納税の控除分の還付が受けられません。確定申告はその年の所得と納税額を「確定」させる申告なので、原則、全部の所得や控除を記載します。本業の給与収入も記載する必要があるので、勤務先から受け取る源泉徴収票も用意してください。

夫は給与に加えて副業収入があります。これも申告しなければなりませんか? 

その通りです。その分所得が増えることになります。ただ、 昨年は台風の被害にも遭っていますね。損害保険などで補てんされた後でも被害額が一定額を超えているなら、雑損控除の対象です。相談者ご一家の場合、昨年は本業以外にも収入があり、一方で医療費がかかったり、台風被害に遭ったりして複数の要素があります。 国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」は、手順に沿って入力していけば作成できる(途中で保存も可能)仕組みですが、自分で作成した上で、提出前に間違いがないかどうか税務署で確認してもらうのがよさそうです。 還付される税金の振込先も確定申告書に記載します。還付金は申告から1~2カ月で振り込まれます。

2019年分の所得税の確定申告は3月16日までですね。さっそく挑戦してみます。

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、申告・納付期限が2020(令和2)年4月16日(木)まで延長されました。

※国税庁「令和元年 確定申告特集」

※国税庁「令和元年分 確定申告書等作成コーナー」

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