小論文は新聞で攻略!

投書欄を活用、親子で「反論トレーニング」 意見文で磨く考える力 小論文学習のポイント

2020.03.11

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山下 茂
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  • 自分で考える力を育てるには「書くこと」が一番。意見文を書くことは、社会をみること、知識を増やすこと、自分の思考を形あるものにすることです。
  • 様々な立場の「賛成・反対の視点」を知るために、たくさんの論拠が示された新聞の投書欄を読むことを勧めています。
  • 自分の意見を持つ第一歩は反論することから。親子で語り合う「反論トレーニング」が有効。

話を伺った人

樋口 裕一さん

小論文指導者

ひぐち・ゆういち/多摩大名誉教授。通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」(https://hakuranjuku.co.jp、0120-890-195)塾長。150冊を超す作文・小論文の参考書のほか、250万部のベストセラーになった「頭がいい人、悪い人の話し方」(PHP新書)などの一般書も多い。

自分の意見、絶対ではない 多様な視点と対立軸知る

「この意見、どう思う?」「小学生なのに立派だよね」問いかけて

これからの学びでは自ら考え、自ら判断し、表現する力が求められます。新聞の投書欄を読んで意見文を書く勉強法を提案する小論文指導者の樋口裕一さんに学習のポイントを聞きました。

自分で考える力を育てるには「書くこと」が一番。よく「読み書き」といいますが、私は「書き読み」だと考えています。書こうと思うからこそ読めるわけで、書く方が先。他者の目を意識して表現することで、多様な視点があることに気づきます。意見を持つことは、知識を増やすための推進力。意見文を書くことは、社会をみること、知識を増やすこと、自分の思考を形あるものにすることです。

小論文を書くうえで一番大事なのは、自分の意見が絶対ではないと知ること。様々な立場の「賛成・反対の視点」を知るために、たくさんの論拠が示された新聞の投書欄を読むことを勧めています。

まず、社会に対する知識が増える。世の中で何が問題になっているかが分かります。400~500字程度ですし、一般の方の意見なので読みやすいのもいいですね。今の若者は、社会問題についてどんな賛成・反対があるのか、その対立軸が分からない。投書なら職業や年齢、地域など、立場の異なる視点を知ることができます。自分の意見はどうあれ、根拠を考え、反論できるか試してみるのが面白い。

自分の意見を持つ第一歩は反論することから。親子で語り合う「反論トレーニング」が有効です。子どもに「この意見、どう思う?」「小学生なのに立派だよね」などと誘ってみるといい。きっと乗ってきます。説得力のある反論を思いついた子は、うれしいからどんどん発言します。喜んで書くようになります。作文力は論理力を身につけることです。数学の証明でも他者に伝わるように書けているかが重要。理詰めで考える力は全ての教科につながります。

樋口

入試小論文には社会的背景が必須、オピニオン面がお勧め

大学入試の小論文では、社会的背景が書けているかどうかがポイント。「得か損か」「楽しいか楽しくないか」だけではなく、社会で生きる人間のあり方としてどちらが好ましいかが問われます。たとえば、「フリーターの是非」を問われた時、「自分がなりたいかどうか」ではなく、できる子は「フリーターが生まれる理由」を書くというわけです。

難関大学を目指す生徒には、3人の識者の意見が載る「耕論」や投書欄のあるオピニオン面を読めば小論文対策は大丈夫、と指導しています。「耕論」を読めば、その社会的課題についてのほぼすべての背景や論点を理解できます。読みながら三者三様の意見を図式化すると勉強になる。別の立場を思いついて、「自分だったらこう言うぞ」と誘発することができればいいですね。意見とは必ず何かに対する反論です。新聞によって情報や意見を知る。それに対する自分の意見を考える。新聞を読まずに入試に挑むのは、武器を持たずに戦うようなものです。

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