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子どものアルバイト、稼ぎすぎに注意 年収103万円超すと…家族の税負担に影響

2020.03.19

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坂本 綾子
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子育て世代のお金の悩みに、子育て世代のファイナンシャルプランナーがお答えするコラムです。

子のアルバイト年収103万円超え…扶養から外れて親の税金が増える

高校生や大学生の子どもがアルバイトに精を出し、自分の小遣い分のお金を稼いでくれるのは家計にとって助かります。ただし、税金面では注意が必要です。アルバイトも収入に変わりありません。決まった額を超えると親の扶養控除の対象から外れることで親の税金が増え、子ども自身にも納税や社会保険加入の義務が生じ、家計全体では手取り収入が減ってしまうケースがあります。

まずは親の税金から見ていきましょう。年末調整の「給与所得者の扶養控除等申告書」に、控除対象の扶養親族として子どもを記載しているはずです。これにより16歳以上18歳以下(一般の控除対象扶養親族)は1人あたり38万円、19歳以上23歳未満(特定扶養親族)は1人あたり63万円の控除を受けられます。学生を扶養する親の負担に配慮して、税金が軽減されるのです。例えば大学生の子どもを1人扶養していると、所得税率10%なら6万3000円程度も所得税が軽減されます。翌年の住民税にも影響が及ぶので、所得税と住民税を合計すると軽減額はもっと増えます(他の条件は考慮せず)。ところが、子どもが扶養から外れるとこの軽減が受けられなくなります。

扶養対象になる条件の一つは、所得が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)、給与収入では103万円以下です。単純計算で毎月8万円台後半以上を1年間稼ぐと該当します。 

年収126万円を超えると子ども本人も納税の義務が

では、子どもの方はどうなるのでしょうか? 扶養を外れるということは本人に納税の義務が生じるということでもあります。ただし、学生は勤労学生控除があり、一般の会社員よりも優遇されます。所得税の計算では27万円、住民税の計算では26万円を、所得から勤労学生控除として差し引くことができます。

これにより所得税は給与収入で130万円(=103万円+27万円)まで非課税、住民税は給与収入で126万円(=100万円+26万円、*所得割の住民税は給与収入100万円以上からかかり、均等割については自治体により異なる)まで非課税です。勤労学生控除を受けるには、アルバイト先の年末調整で適用を受ける必要があります。

 子どもの年収が扶養対象になる上限額を超えていることを親が知らず、子どもを扶養親族にしたまま年末調整を行った場合、親は確定申告で修正し、納税しなければなりません。一方、子どもがアルバイト先の年末調整で勤労学生控除を忘れた場合は、確定申告を行い税金の還付を受けることができます。

親の扶養を外れると健康保険や国民年金も「一人前」に

社会保険についても注意点があります。子どもは親の扶養に入っている間は、健康保険においても被扶養者として保険料を払わずに健康保険に加入できます。社会保険の扶養は年収130万円未満の親族が対象です。健保組合によっては、月10万8333円を超える給与が3カ月程度続くと、年収130万円超とみなされることがあります。そうなると、親が加入する健康保険の被扶養者から外れてアルバイト先で加入するか(勤務時間等により加入できるかどうかは異なる。保険料は給与から天引き)、そうでなければ子ども自身が国民健康保険に加入して保険料を払うことになります。 

社会保険といえば、20歳からは国民年金保険料を支払う義務も発生します。学生本人の所得が少ない場合(前年の所得が118万円以下)は、学生納付特例により保険料を猶予してもらうことができますが、親が子どもの保険料を払った場合は全額を社会保険料控除として親の所得から控除でき、税金の軽減につながります。親族の社会保険料を払った場合は、勤務先の年末調整で社会保険料控除の欄に記載して、保険料の証明書を添付すれば控除が受けられます。もし年末調整で忘れていたら、確定申告で控除できます。

子どもがアルバイトをする際には、税金や社会保険の扶養の条件や仕組みを説明して、どのくらいの収入まで働くのか、親子で話し合った方がいいでしょう。 

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