2020年度中学入試 合格者アンケート

開成中学合格者、将来の夢は○○ 親子32組に聞いた子育て法 意外と放任主義?

2020.03.02

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庄村 敦子
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開成中学に今年は397人が合格した。38年連続で東大合格者数日本一の開成高校。中学から高校まで計6年間を、ここで彼らは今後どのように過ごすのか。将来は何を目指すのだろうか。EduA編集部では32人の合格親子にアンケートを実施、これからやりたいこと、志望大学から将来の夢まで尋ねてみた。自身も開成OBの柳沢幸雄校長とともに、結果を読み解いた。

夢中になっていること、トップは読書とサッカー

いま、合格者が夢中になっていること、好きなことを聞いてみた。トップは「読書」と「サッカー」で、各7人。次いで「ゲーム」の5人。ここで回答した「好きなこと」が、そのまま次の質問の「中学入学後にやりたいこと」につながっているケースも多い。

「勉強」と答えた2人は、中学入学後にやりたいことも「勉強」。1人は東大理三志望で、将来の夢は医師という。もう1人も東大志望で、将来の夢は宇宙飛行士。2人とも中1から塾に通う予定だと答えた。

また、夢中になっていることに「算数(数学)」と答えた3人のうち2人が、「数学研究部に入り、数学オリンピックへ出たい」と考えており、将来の夢は数学者だという。

熱中していること・好きなこと  人数

読書               7
サッカー             7
ゲーム              5
算数(数学)・図形の問題作成   3
鉄道               2
勉強               2
野球               2
工作               1
ロボット             1
トランプ             1
クイズ              1
メダカの観察           1
バドミントン           1
ラグビー             1
植物               1
LaQ(パズル)          1
将棋               1
スキー              1
飛行機              1
歴史               1

※複数回答

「中学入学後にやりたいこと」を尋ねると、約半数の17人が「部活動・クラブ活動」と答えた。具体的に名前があがったのは野球部、テニス部、バレーボール部、生物部、クイズ研究部、鉄道研究部、折り紙研究部、将棋部。

中でもクイズ研究部は、よく知られた存在だ。テレビ番組などで活躍するクイズ集団「QuizKnock」代表の伊沢拓司さんは、開成高校クイズ研究部のOB。在校中に「全国高等学校クイズ選手権」で2連覇した後、東大へ進学。「東大クイズ研究会」に入り、在学中にさまざまな大学からメンバーが集まってクイズを発信するウェブメディア「QuizKnock」を立ち上げている。毎年、この「クイ研」に憧れ、開成へ進学する生徒は少なくないという。

「ハイスクールラプソディー・伊沢拓司さん 開成高校 クイズで得た方法論を勉強にも生かした」の記事はこちら

柳沢幸雄校長は部活動を積極的に推奨していると話す。「数学研究部をはじめ、生物部、物理部など、通常の授業では物足りない生徒が、より高度な内容を学べる部活動もあります。また、運動部では勝つためにはどうしたらいいかを考え、壁にぶつかったときに乗り越えるための工夫をしています。鉄道、クイズ、音楽、将棋など、自分の好きなことに熱中することによって成長するし、部活動を通じて親しい友人もできます」

ちなみに、もちろん「遊びたい」「ゲーム」と答えた子も3人いたことを付け加えておく。

3分の1以上が東大に照準 中1から通塾予定も6人

現時点での志望大学を尋ねると、12人がズバリ「東大」と回答。「有名海外大学」と「東大」を併記した1人を加えると、13人が「東大」志望だ。東大の合格者数が日本一多い開成だけに、当然か。東大以外の大学名で挙がったのは、東京医科歯科大医学部、慶應義塾大が各1人。17人は未定だった。

では、東大に合格するためには、いつから塾に行こうと考えているのだろうか。中学に合格した直後に聞く質問としては、酷かと思われたが、実際、「中1から塾に通う」と答えた人が6人。「中2から」が1人、「中3から」が2人、「高2から」が1人、「行きたくない」が2人。一方で、「未定」や「無回答」は、20人と多かった。

2020年度中学入試 開成中合格者アンケート

将来の夢

将来の夢を回答した20人のうち、トップは学者・研究者の9人。具体的な分野として挙がったのは、数学者が2人、工学者、科学者、生物学者、歴史学者が各1人。次いで医師が4人。気象予報士が2人だった。

「卒業生に学者は多いですね。学問を理解し、追究する喜びは素晴らしいと思う。学ぶにつれて、より広くものが見えてきます。入学時に将来の夢が決まっている人は、その目標に向けて努力を続けてほしいですね」と柳沢校長。

2020年度中学入試 開成中合格者アンケート

開成出身の主な著名人を見てみると、衆議院議員の岸田文雄氏、直木賞作家の逢坂剛氏、演出家・映画監督の蜷川幸雄氏(故人)、メディアアーティストの落合陽一氏らの名前が挙がる。学者・研究者も多数輩出しており、工学者の小出裕章氏や地理学者の渡辺光氏(故人)らがいる。

将来の夢     人数

学者・研究者    9
医師        4
気象予報士     2
投資家       1
建築家       1
宇宙飛行士     1
世界で活躍する   1
パイロット     1

意外に多い「勉強は塾にお任せ」の保護者

親子の受験と呼ばれる中学受験。保護者は合格に導くために、どのように接してきたのか。やはり保護者は勉強をみないとダメなのか? 生活面は? 合格者の保護者に、これからの受験親子へのアドバイスを頼んでみた。勉強、生活・育て方、精神面に分けて紹介する。

特筆すべきは、意外にも「勉強は塾にお任せだった」と答えた親が多かったことだ。「勉強はすべて塾の先生に教えてもらった」という声と同時に、「塾で授業をしっかりと聞き、宿題はきちんとやった」という回答が比較的多く、受験生本人の意思や勉強への向き合い方が表れる結果となっている。

勉強

・ラスト1カ月で理社を100%にする
・親はノータッチで、子どもに任せていた
・効率を重視する
・小1から小3までそろばんを習わせて暗算力を鍛えた。小3から小4は四谷大塚の予習シリーズで勉強し、小5の後期から塾に通わせた
・離島には塾がなく、周りに受験生がいなかったため、通信教育の点数や偏差値を参考にした。算数は父親の私がライバルとなり、一緒に勉強した。

生活・育て方

・子どもをそっと見守り、明るく接する。おいしいご飯を作る
・小さいころからパズルや本などたくさんのきっかけを与えることを心がけた
・可能な限り、子どもに何事も決めさせた。子どもの「自分の意思」を大切にした
・男の子は幼い。活入れが大変
・親子でいつも一緒に!
・好きなことを大事にさせる

2020年度中学入試 開成中合格者アンケート

精神面

・親が必死になりすぎて、精神の安定を欠いてはダメ
・母親である私は心配しすぎましたが、子どもと塾を信じて、あまり心配しすぎないで
・最後まで諦めない
・テストの点数や模試の結果などに一喜一憂しない
・成績が落ちることもあるが、子どもを信じてあげて
・受験生は、自分を信じて頑張る
・小さいことは気にしない
・「大丈夫、受かる!」と励まし続ける
・理性的に子どもと接して、解決法を見つけてください

これらの声を受け、柳沢校長は今年の合格者に次のようにエールを送っている。

「まずは、今まで努力してきたことに対して、『おめでとう』と言いたい。と同時に、君たちは壁にぶつかってはね飛ばされ、乗り越える経験ができなかったとも言える。入学したら、いろいろなことにチャレンジしてほしい。成功体験にとらわれることなく、挑戦して壁にぶつかり、それを乗り越える経験をしてほしい」

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