どうする? 長期休校

休校期間、苦手克服へ計画的なひと月に 佐藤ママが過ごし方をアドバイス

2020.03.03

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斉藤 純江
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 新型コロナウイルスの影響で、全国の多くの小中高校で休校措置が取られています。突然、訪れた約1カ月間の「長い春休み」を、どう過ごせばよいのでしょうか。保護者の心構えは? 子ども4人を東大理Ⅲに合格させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんに、アドバイスをもらいました。

 とにかく保護者が動揺しないことです。バタバタしてはダメだし、そのような姿を子どもに見せてはいけません。長い人生を生き抜くには、一筋縄ではいかないということを教えるいい機会なのです。常に平穏無事なんてことはないのだと、未来を生きていく子どもたちに伝えるのに、今回のことは良い教材となります。

 非日常的な出来事が起こった時にどう対処するのか。大人が落ち着いた姿勢を見せなければいけません。いま起きていることの具体的な情報を集め、冷静に判断し、何が一番大切なのか、何をまず優先させるべきなのか、落ち着いて考えるべきだと思います。まず、いついかなる時も、最優先させるべきは「命」だと、子どもに話してください。それ以外は、次の段階で考えればいいことです。

 今のところ、新型コロナウイルスは、世界中の人々にとって初めての経験で、まだよくわからないこともたくさんあります。このような場合、「命を守るためには何でもする」「どんなに用心してもしすぎることはない」ということが大切です。普通のインフルエンザでも、あっという間に広がって学級閉鎖、という事態もありえます。リスクを考えれば、学校が休校になるのも仕方のないことでしょう。

毎日の具体的な計画を子どもと一緒に立てる

 子どもには、いまの状況をきちんと説明して、1カ月間を前向きに過ごす方法を一緒に考えましょう。私はいつも春休みには、その学年で覚え残したことや、強化したい部分の勉強をしたいと思っていましたが、「春休みは短くて時間が足りない」と感じることが多かったです。それが今回は1カ月もあるのですから、ラッキーなことです。子どもにはマイナスのことを言うのではなく、前向きな声かけをしましょう。そうすれば、子どもも「わからないところをゆっくりやれる」と思えます。

 せっかく時間があるのですから、2、3日かけて、子どもと一緒に1カ月間の計画を立ててください。ノートを子ども1人につき1冊用意して、表紙に名前を書きます。そして、1ページに1日分、取り組むことを書いていきます。何を強化したいのかを考え、スケジュールは具体的に立てるのがコツです。計画通りにできたかどうかは保護者がチェックして、できていたらシールを貼ったり、○をつけたりしたら楽しいですよね。春休みが終わった時、「苦手な部分がこんなにできて良かった」と思えるようにしてください。子ども自身が達成感を得られることが大事です。

ゲームには要注意、多めに寝るのもあり

 計画も立てずに毎朝起きてから、「さあ、今日は何をしようか?」と、その日の「出たとこ勝負」では、あっという間に何もしないまま、1カ月が終わってしまいますよ。

 共働きの場合は、保護者がラインや電話で「ちゃんとやってる?」と、3時間に1回くらいは声をかけましょう。連絡する時刻を子どもと決めて、紙に書いて冷蔵庫に貼っておくといいですね。そして、どんなに忙しくても、その時刻には必ず連絡をすることです。8時間も9時間もほったらかしではダメです。そして、保護者が不在の場合は、ゲームには気をつけましょう。放っておくと、子どもがゲーム漬けになりかねません。1カ月間ゲーム漬けになると、4月にもとの生活には戻れなくなります。親は家中のゲーム機を集めて、職場に持って行くことでしょうね。今回のことをきっかけに、ゲームをやらない癖をつけるくらいの気持ちでもいいかもしれません。

 休み中は、いつもより1時間多く寝かせるのもお勧めです。子どもたちも日ごろから疲れていますから、1時間多く寝ると疲れがとれて、やる気が出てきます。そして、普段は慌ただしく食べている朝ご飯をゆっくり食べて、午前中は勉強。午後は2時間ほど遊んで、また勉強する。私は、いま子どもがいたらそんな風に過ごさせると思います。

 「学校に行かないから、3月にするはずだった学習ができない」、なんて心配する必要はありません。そんなものは、後でいくらでもできます。まず、「生きていること」が大事。そのことを忘れずに、この突然訪れた長い休みを、新学期に向けた準備のための「いい時間」として過ごしてほしいと思います。

 そして、保護者は、この経験を何かに記録しておいてください。簡単なメモでもいいですから、いつ感染が始まり、どのような経緯をたどり、そして長い休校の間には何を考え、何をしたのか、ということを書いておくといいと思います。時を経て、また新たなタイプの感染症が流行することは十分あり得るのですから。2020年の経験を、次の時代を生きる子どもたちの役に立つような形で引き継ぐ覚悟が大切です。

プロフィール

佐藤 亮子

浜学園アドバイザー / 朝日新聞受験アドバイザー

(さとう・りょうこ)奈良県在住。津田塾大学を卒業後、2年間の英語教師を経験。3男1女を東京大学理3に合格させた子育て方法が話題となり、「受験は母親が9割」「佐藤ママの子育てバイブル」などを出版。

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