女の子の翼を折らない教育を

男女格差指数121位 難関大や理系への女性進学率の低さが一因 三浦まりさん

2020.03.05

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葉山 梢
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3月8日は国際女性デー。昨年、世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数(男女格差指数)で日本は153カ国中121位と、過去最低の順位を記録しました。政治や経済分野での低さが注目されましたが、実は教育分野も91位と高くありません。政治・経済分野の低さの原因も、元をただせば教育にあるとも言えます。教育における格差の背景について三浦まり・上智大教授に聞きました。
※「Dear Girls(ディアガールズ)」は、日本で育つ女の子たち、そして男の子たちが性別にとらわれず、今よりもっと自分らしく生きられる社会をめざす企画です。

話を伺った人

三浦まりさん

上智大学教授

みうら・まり/上智大学法学部教授、一般社団法人パリテ・アカデミー共同代表。専門はジェンダーと政治、福祉国家論。(パリテとは男女同数の政治参画を規定するフランスの法律)

ジェンダーギャップ指数は政治・経済・教育・健康の4分野14項目について、男女にどれだけの格差があるかを得点化し、各国の順位をつけています。平等であるほど得点は1に近づきます。

教育分野で日本は識字率と初等教育(小学校)就学率の得点は1で「完全平等」ですが、中等教育(中学・高校)、高等教育(大学・大学院)の就学率は男女で差があります。多くの国がほぼ男女同等の1と高得点であるため、少しの差で順位は大きく下がります。

女の子の翼を折らない教育を

今や先進国の多くで、男性より女性の方が就学率が高い傾向にあります。日本では「女子は数学や物理が苦手」というステレオタイプが浸透していることもあり、理系学部の女性が少ないため、大学院の就学率も低くなっています。この差が日本の順位を下げている要因の一つです。

難関大学で女子学生の比率が低いことも問題です。世界のエリート大学は男女半々が普通なのに、東京大学の女子学生は2割ほどで頭打ちの状態が続いています。女の子が東大を出ても、いわゆる「女性の幸せ」につながらないと思わせる社会構造があります。

男性が女性よりも優位に立たないと居心地の悪さを感じる男権主義的な価値観を変えていかないと、教育における男女平等はなかなか達成しないでしょう。セクハラや性暴力防止の取り組みが大学において進んでいないことも、女性にとっての安全な学習環境を阻害しています。

日本でも政治家をはじめリーダー層の女性を育てていく必要がありますが、このまま教育における性差別を社会として問題視していかないと、中長期にわたって女性リーダーは育たず、政治・経済分野の格差は解消していきません。

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