わが子の受験適齢期

目指すは東大? 難関私立大?? 「受験のコスパ」パターン別に試算してみた

2020.03.11

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EduA編集部
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東大など国立大前期入試の合格発表が一段落し、入試シーズンは大詰め。うちは高校受験か、中学受験か、それとも……。首都圏で中学受験熱が高まるなか、どの段階でわが子を受験させるか、お悩みの保護者も多いのではないでしょうか。まずは学校や塾・予備校にかかる教育費をシミュレーションしてみましょう。

パターンA お受験(男子)

有名小学校受験塾2年間300万円→難関私立大付属小学校790万円→同中学校357万円→同高校322万円→法学部内部進学473万円…計2242万円

セレブの象徴ともいわれる「お受験」(小学校受験)。学費以外にも制服代や通学交通費などが小学校からかかるため、「世帯年収1000万円超は必要です」とファイナンシャルプランナーの藤川太さん(インタビューはこちら)。「親の面接では『学費を払い続けられますか』と聞かれることもあります」。成績が悪いと放校となる学校もあるため、「付属校向け補習塾に小学校から通う子もいて、出費はさらにかさみます」。

パターンB 中学から付属校(女子)

公立小学校38万円+難関中学受験塾3年間276万円→難関私立大付属中学校357万円→同女子高校302万円→法学部内部進学473万円…計1446万円

定員厳格化で「狭き門」となった大都市圏の難関私立大に内部進学できる付属校が、中学受験で人気だ。合格してしまえば、あとは安泰なのか。森上教育研究所代表の森上展安(のぶやす)さん(インタビューはこちら)いわく、「入学後も『後から来る子(高校入学組)に負けるぞ』とハッパをかけられ、塾通いをする子は少なくない。成績が悪いと大学進学の際、希望する学部に行けないからです」。付属校の授業料はもともと高めだが、塾通いをすればこれ以上に費用がかかる。

パターンC 「御三家」→東大(男子)

公立小学校38万円+難関中学受験塾3年間276万円→難関私立中学校252万円→同高校237万円+東大専門進学塾6年間340万円→東京大文科Ⅰ類・法学部243万円…計1386万円

「御三家」といわれる東京の超難関私立中高の学費は、一般的に付属校ほど高くない。ただし、こうした一部の中高の生徒だけが通える東大・医学部専門進学塾があり、6年間で340万円(夏期講習などは別途)。超難関校ならではの「特権」ともいえるが、「中学受験が終わった直後から、また6年間、受験勉強をし続けることになります。学校の勉強もあるため、部活などとの両立は難しい」(森上さん)。

パターンD 公立一貫校→国立大(女子)

公立小学校38万円+大手塾公立一貫コース2年間134万円→公立中高一貫校127万円+大手予備校現役コース(理系)2年間211万円→東京大理科Ⅱ類・農学部243万円…計752万円※

小学4年生から3年間の塾通いが必要とされる私立中学受験に対し、公立中高一貫校の「受検」は小5からの2年間でも間に合うといわれる。「保護者がじっくり勉強を見てあげる時間があるなら、塾に行かないという選択肢もあります」(森上さん)。一方、大学受験予備校の現役コースには、高校2年から通う生徒が多いという。「部活などとの両立を図り、通信制の予備校を選ぶ生徒もいますが、学費はさほど安くなりません」

パターンE 公立高→国立大(男子)

公立小学校38万円→公立中学校42万円+大手塾高校受験コース3年間205万円→公立高校85万円+大手予備校現役コース(文系)2年間190万円→東京大文科Ⅰ類・法学部243万円…計802万円※

地方ではいまも主流の進路だが、パターンDの公立中高一貫校進学より総額が高くなったのは、高校受験塾に3年間通うと仮定したため。「中学受験をしないのに、小5ぐらいから塾に通う子どもも増えています。公立高入試は学校の勉強をきちんとやっていれば受かりますが、ゲームとスマートフォン漬けで学習習慣がない場合、それを直すための費用と考えましょう」(森上さん)。公立高でも課外の大学受験指導に熱心な九州や長野県などでは、予備校費用は考えなくてよさそうだ。

パターンF 高校から付属校(女子)

公立小学校38万円→公立中学校42万円+大手塾高校受験コース3年間205万円→難関私立大付属高校302万円→理工学部内部進学677万円…計1264万円

中学受験で人気の難関私立大付属校だが、一般的には高校受験のほうが入りやすい。試算では、高校3年間の成績がよく、補習塾などに通わず希望の理工学部に進学したと仮定したが、教育費の総額は1264万円に達した。理工学部4年間の学費が法学部より200万円以上も高いためだ。前出の藤川さんは「大学の学費が上がっています。私立大では学部間の差も大きい。理系の場合、大学院進学も想定しておいたほうがいい」とアドバイスする。

パターンG 難関私立高→東大(男子)

公立小学校38万円→公立中学校42万円+大手塾高校受験コース3年間205万円→難関私立高校237万円+大手予備校現役コース(文系)2年間190万円→東京大文科Ⅰ類・法学部243万円…計955万円

首都圏では高校募集を行わない完全中高一貫校が増えているが、高校から門戸を開く難関私立校も少数ながら健在だ。高校2年から大手予備校現役コースに通うと想定。パターンD・Eと同様、通常の授業以外に夏期・冬期講習などにも出席、高3では東大受験対策に特化した授業を受ける場合の費用を算出している。

【試算の方法】

学校の入学金・授業料など(消費税非課税)は藤川太さんが、塾・予備校の費用(税込み)は森上展安さんが試算した。公立小中高の学費は、文部科学省「子供の学習費調査」(2018年度)の学校教育費(修学旅行費・教材費などを含むが、給食費は含まない)から在籍年数分を算出。公立中高一貫校には公立中と公立高の合計を準用した。私立小中高と大学の学費は、想定した各校が公表する入学金や授業料から算出した(修学旅行費などを含まないことが多い)。塾・予備校の費用は、代表的な大手に入塾金や授業料などを尋ねた。一部を除き夏期講習などの費用を含む。
※端数処理のため合計額は必ずしも一致しない。

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