どうする? 突然の長期休校

休校中、理想のスケジュールは? ストレス・運動不足・勉強…… 悩みを解消

2020.03.12

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葉山 梢
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突然の休校から1週間余り。子どもたちの緊張感が徐々になくなり、なかなか勉強しなかったり、生活リズムが乱れたりといった悩みが出てくるころではないでしょうか。家から出られないことによるストレスや運動不足も心配です。小学校の先生だった教育評論家の親野智可等さんに理想的な1日の「時間割」を作ってもらいました。

話を伺った人

親野智可等さん

教育評論家

おやの・ちから/本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとにしたメールマガジン「『親力』で決まる子供の将来」は読者数が4万5千人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)など著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。ホームページはこちら

まずは寝る時間を一定に

――学校や学童保育に行っていない子どもの中には、朝起きられない子が出始めているようです。生活リズムを整えるために何を心がければいいのでしょうか。

 学校がある時と同じ時間に寝起きするのが基本です。「生活リズムを整える」とは、毎日同じ時間に同じことをすること。特に(1)寝る(2)起きる(3)食事(4)排泄(はいせつ)の四つの時間が大事です。大人は自分で調整できますが、子どもが自己管理するのは難しく、長期休み中はリズムが乱れがち。親の影響は大きいから、関わることが重要です。

 朝起きられない人は、まずは寝る時間を一定にするのがやりやすいと思います。寝る時間から逆算して入浴や夕食の時間を決めましょう。中学受験を目指している子どもは寝る時間が遅くなりがちですが、睡眠は成長に欠かせません。睡眠不足に陥らないよう注意してください。

休校1週間1

 もともと春休みは一番危険な期間です。というのも、普段は「○年○組、担任は○○先生」と意識している子どもが、社会的な所属意識をなくし、モラルや規律がゆるみがちになるのです。

 本来なら春休みに入る前に、学校でまとめや振り返りをして、新年度への目的意識をもたせるところですが、今回はそれができませんでした。今からでも家庭で、子どもが一年間頑張ってきたことを肯定的に振り返ってみてください。そして来年の希望や目標を聞き、そのためにこの長期休みをどう過ごすか考えれば、生活リズムを整えることにもつながるはずです。

勉強はとりあえず事前に準備を

――子どもがなかなか勉強しないという悩みは、休校期間かどうかにかかわらずあります。

子どもにとっては「取りかかり」が一番難しいので、勉強を始める準備をしておくことをお勧めします。たとえば食後に勉強するなら、食事の前に教材を机の上に出しておくのです。余裕があれば1問だけ解いてみると、全体の見通しがつくので、本格的に取りかかるときのハードルが下がります。漢字の1画だけ、名前を書くだけでも違いますよ。

小学生なら1時間勉強すれば立派だと思います。午前中を活用するならば、朝食前に準備して、朝食後の1時間を勉強時間にあてましょう。

――宿題が大量に出ている学校もあるようです。どのように進めればいいでしょうか。

宿題の内容が書かれたプリントを見ても、子どもは量を把握できません。まずは一度、実際の宿題を全てテーブルに出してみましょう。次に、ホワイトボードなどに「算数ドリル20ページ」などと量を数字で書き出します。それを毎日のスケジュールに落とし込み、カレンダーに書き込みます。行き当たりばったりではなく、「毎日これだけやれば終わる」という見通しを立てるのが効果的です。

――ずっと家の中にいると、運動不足が心配です。

子どもを放っておくとゲームざんまいになる恐れがあります。叱っても仕方ないので、もっと面白い代替物を用意しましょう。

体を動かす遊びで、室内でできるものはいろいろありますよ。たとえば風船バレーや風船サッカー、フリスビー、フラフープ。輪投げやミニバドミントン、ストラックアウトの道具もネットで買えます。庭があるなら、ホッピングは体全体を使うのでおすすめです。

けん玉やヨーヨーは上達すると達成感が得られます。YouTubeにいろいろな技の動画が上がっているので、まねしてみては。紙飛行機を遠くまで飛ばす方法もネットに情報がたくさんあり、はまる子は多いと聞きます。

朝のラジオ体操もいいですよ。ちゃんとやればいい運動になり、ばっちり目が覚めます。

可能なら散歩や外遊びも取り入れてください。
文部科学省は、一斉休校のQ&Aに関する通知で、風邪の症状がある場合は外出を控え、風通しの悪い空間で至近距離で会話する場所やイベントには行かないように、と伝えています。
ただ、同時に、「屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではなく、感染リスクを極力減らしながら適切な行動をとっていただくことが重要」という見解を示しています。

休校1週間2

――休校が長引くと、親子ともにストレスがたまりそうです。

 子どもを叱っても親子ともにイライラするだけ。うまくいかないことがあっても、この際あきらめましょう。

 ストレスをため込むのはよくないですが、人に向かって吐き出すのもよくない。私がよく人に勧めているのは、イライラしたら「犬語」でけんかすること。親子で向き合ってワンワン言い合うんです。意味のない音声だからお互いに傷つかず、怒りのマグマを放出できますよ。

 せっかくの休みなのですから、子どもには好きなことを思いっきりやらせてほしいです。人は好きなことをやっているときに頭がよくなると言われています。動物の世話、ブロック遊び、絵を描くことなど、何でもいい。YouTubeを見るだけでなく、発信してみるのもいいですね。没頭すれば時間はあっという間に過ぎます。やりたいことがあれば早起きもできます。

 好きなことがはっきりしない子には、いろいろやらせてみてください。体を動かすことが好きならけん玉にはまるかもしれません。クリエーティブな子ならブロックや折り紙、塗り絵もいいですね。合わないものはすぐにやめて、良いものが発見できればもうけもの。この時間を前向きにとらえましょう。

理想の「時間割」はこれだ!

以上のことをふまえて、1日の「時間割」のモデルケースを作ってみました。

6:00 起床
6:30 ラジオ体操
6:55 勉強の準備
7:00 朝食
8:00 勉強(宿題など)
9:00 自由時間(趣味など)
12:00 昼食
13:00 必要なら昼寝
15:00 自由時間(体を使う遊び、可能なら外遊びなど)
17:00 お手伝い
18:00 夕食
19:00 家族だんらん、テレビ、ゲーム、趣味など
20:00 読書、読み聞かせ
20:30 入浴
21:00 就寝

子どもが日中、学童保育などに通っている場合は朝と夜の時間だけ「時間割」を決めてみてはいかがでしょうか。

6:00 起床
6:30 ラジオ体操
6:45 勉強の準備
6:50 朝食
7:30 勉強(宿題など)

18:00 帰宅、お手伝い
19:00 夕食
19:40 家族だんらん、テレビ、ゲーム、趣味など
20:30 入浴
21:00 就寝

これらはあくまでモデルケースです。家庭の事情や、子どもの性格・体力に合わせてアレンジしてみてください。

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