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「新聞コラム書き写し」 中学生がより高い学習効果、そのわけは

2020.05.07

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関口 修司
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  • 全国学力・学習状況調査の国語の正答率を比べると、「1面コラムの書き写し」実施校の方が全国平均より小学校で1.5ポイント、中学校で3.9ポイント高くなりました。
  • 中学生でより高い効果があったのは、「コラムの視写」は小学生には「難し過ぎ」、中学生には「程よく難しかった」のだと考えます。
  • 「子供に合った文章を選び」「そのまま書き写す」「時間を決めて書かせる」など、ハードルの高さを調節しながら、無理せずコツコツ取り組ませることが肝心。

肝心なのは「程よい難しさ」、「難し過ぎる」と逆効果

全国学力・学習状況調査の正答率、「書き写し」実施校で全国平均上回る

最近の小中学校の教材を見ていると、「難語句は使わないように」「文字は少なく・大きく」「イラストや写真を多く」「余白は広く」しているものが多くあります。子供たちが理解しやすいよう、配慮されていることはうなずけます。しかし、子供の成長にとって、「平易なこと」が効果的とは一概には言えません。むしろ「少し難しい」方が主体性や理解力を伸ばすと確信しています。でも「難し過ぎる」のはかえって逆効果。その塩梅(あんばい)が難しいのです。

その「塩梅」に関する興味深いデータがあります。学力の向上に効果があると言われている「1面コラム(一般紙)の書き写し」についての調査結果(日本新聞協会調べ、2020年2月)です。日常的に「1面コラムの書き写し」をしている小学校9校と中学校8校の全国学力・学習状況調査の平均正答率です。国語でみると、全国平均より小学校で1.5ポイント、中学校で3.9ポイントそれぞれ高い結果が出ました。ともにアップしましたが、中学校でより高い学力効果が表れたのです。

子供に応じた文章選び、「そのまま」「時間決めて」コツコツ実践を

それはなぜでしょうか。私見ですが「コラムの視写」は一般的な小学生にとっては「少し難しい」のではなく、「難し過ぎる」内容だったのではないでしょうか。中学生にとっては「程よく難しかった」のだと考えます。もちろん、この調査は「小学生」「中学生」の集団としてのデータですので、中学生でも「難し過ぎる」場合もあるでしょうし、小学生でも「少し難しい」場合もあります。そこが「塩梅」の難しいところです。学びは本来、一人一人への対応が肝心。読書好きで読解力の優れた小学生なら「一般紙のコラムの視写」が「程よい難しさ」かもしれません。でも、多くは「小学生向け新聞のコラム」がちょうどよいのではないでしょうか。

関口コラム2

もし、ご家庭で「コラムの視写」をなさるなら、お子さんに合った文章を選んでください。ノートは1行あたりのマス目をコラムと同じにそろえ、同じ漢字を用い、句読点も同じ位置に打つようにしましょう。新聞の文章は、学校で学習する原稿用紙の使い方と若干異なる点もありますが、まずは、1週間に1回を目安にそのまま書き写してみてください。全部書かせるのも良いですが、10分などと時間を決めて書かせる方法もあります。やるたびに書ける文字数が増えていくのも、意欲につながります。程よく「少し難しい」学びになるよう、ハードルの高さを調節しながら、無理せずコツコツ取り組ませてみてください。これも「塩梅」が肝心です。

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