休校中に実践! 時間感覚の磨き方

休校中の生活リズム保つには 子どもの時間感覚は大人と違う

2020.05.02

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葉山 梢
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突然の長期休校で子どもの生活リズムが乱れ、頭を悩ませている家庭が多いのではないでしょうか。同じ1分、1日、1カ月でも、大人はあっという間に感じるのに対し、子どもは長く感じるといわれます。日本時間学会会長の一川誠・千葉大教授に、大人と子どもの時間の感じ方の違いを踏まえ、生活リズムを保つコツを解説してもらいました。

話を伺った人

一川誠さん

日本時間学会会長

いちかわ・まこと/千葉大人文科学研究院教授。専門は実験心理学。著書に「大人の時間はなぜ短いのか」(集英社新書)など。

子どもの時間は実際より早く進む

同じ1年であっても、10歳の子どもにとっては人生の10分の1であり、60歳の大人にとっては60分の1である――。感じられる時間の長さは年齢と反比例的な関係にあるという「ジャネーの法則」はよく知られていますが、実験の結果ではそこまではっきりとした相関はありません。

時間の感じ方に影響する要因はまだ完全に解明されてはいません。ただし、時計を使い慣れている大人は、時計で計測・表示される時間に影響されやすいということは言えるでしょう。一方の子ども、なかでも10歳未満は時計ではなく、できごとの数で体感的に時間の長さを感じています。できごとが多ければ多いほど、時間を長く感じるのです。

たとえば毎日の食事は大人にとってはルーティンの一つに過ぎませんが、子どもにとっては新しい発見や体験がたくさんあるので長く感じます。実際の食事時間が30分だとしても、子どもは40分にも50分にも感じているかもしれません(イラスト参照)。

時間管理イラスト
イラスト/伊藤理穂

代謝が激しいと、体感的な時間が実際より長くなることも分かっています。子どもは代謝がいいので、体感的な時間のほうが実際の時間より早く進みやすい。一方、年を取ると代謝が落ちるので、実際の時間のほうが早く進んで「もう1年が過ぎたの!?」と驚くことになります。

ほかにも、時計を気にして何度も見たり、広い空間にいたりするほうが時間を長く感じると言われています。

このように、体感的な時間はいろんな要因によって長くなったり短くなったりします。そのうえ、子どもは時計の時間に合わせて行動することに慣れていないので、時間を守れないことが多くなりがちなのです。

10歳ごろになれば、心理的には大人と同じ感覚になってくるので、そのころには時計の時間に合わせて行動できるよう訓練しましょう。時間感覚を身につけ、主体的に時間の使い方を考えられるようになれば、満足度の高い生活を送ることができます。

生活のリズムの乱れは心理的不安定にもつながります。今の状況では大変かもしれませんが、大事なのは睡眠と食事の時間帯を規則的にするということです。また、運動や勉強、読書なども一日の中で時間を決めて、生活のリズムを保つようにしてください。

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