時事ニュースの学び方

時事問題キーワード、2020社会科入試出題ランキング トップはやはり… 私立中学100校分析

2020.05.25

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山下 茂
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今春実施された全国100校の私立中学社会科入試問題を分析したところ、時事ニュースに関わる問題が全体で9割、女子校では全校で出題。これまで以上に長文化が進み、多様な資料を扱う問題が増える傾向にあることが分かりました。時事ニュースの出題傾向などを、分析にあたった早川明夫・文教大学地域連携センター講師に聞きました。

話を伺った人

早川明夫さん

文教大学地域連携センター講師

(はやかわ・あきお)森上教育研究所講師。大学の付属中学・高等学校の教頭を経て、大学で社会科の教員養成にあたる。中学・高校・大学の入試問題作成の経験を生かして、出題者の立場から入試問題を研究。時事問題にも明るく『ジュニアエラ』(朝日新聞出版)の総監修者を務める。

知識と実社会つなぐ問い、理解深める

今年は時事問題の出題が非常に多く、時事問題だけで大問をつくった学校もありました。全体では9割、女子校は100%で出題。理科でも4校に1校ぐらいの割合で出ています。国政選挙と日本の世界遺産登録があると、翌年に出題される傾向が高く、昨年はこの両方(参院選と百舌鳥<もず>・古市古墳群)があり増えました。中学受験の社会では時事問題の勉強は必須といえます。

社会分析・れいわ2議員
介助者とともに参院本会議場に入る「れいわ新選組」の舩後靖彦氏(右)と木村英子氏=2019年8月1日

ランキングトップは「参院選」、2位は「消費税」、3位は「世界文化遺産登録」に関する問題でした。出題する立場としては、教科書に書かれている内容と関連する時事ニュースがあれば飛びつきます。教科書の知識と現実社会の出来事をリンクさせることによって、勉強と世の中を結びつけて考えることができれば一番いい。たとえば、昨年、世界文化遺産に登録された大山古墳は小学校の教科書に出てきます。ニュースになると、古墳がつくられたころの歴史を見直すうえで、理解の深まり方が違います。

社会分析・消費税
消費税が10%に上がり、店内での飲食と持ち帰りで税率が異なることを知らせる貼り紙も=2019年10月1日

身近なテーマの出題も増えています。プラスチックごみやレジ袋、マイクロプラスチックなどの環境問題、多機能トイレなど生活の中にあるユニバーサルデザイン、参院選でのれいわ新選組の2議員当選による国会本会議場の改造などバリアフリーをテーマにした問題も。訪日外国人や外国人労働者も身近な存在といえます。元号改定は昨年も出ていることもあって、今年はそれほど出題されていません。あとは周年問題、節目の年のできごとが問われ、昨年なら裁判員制度(10年)やベルリンの壁崩壊(30年)などが目に付きました。

社会分析・世界遺産
世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群。左上は大山古墳=堺市、本社ヘリから

著名人の訃報(ふほう)に関わる問題としては、元国連難民高等弁務官の緒方貞子さん(昨年10月22日死去)、パキスタンやアフガニスタンでNGO活動に取り組んだ中村哲さん(同12月4日死去)も出題されています。時事問題は8月ごろまでが対象ですが、2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震が翌年の入試で出題されたこともあります。出来事の大きさによっては年内いっぱいは注意が必要でしょう。

2020私立中学社会科入試 問題形式別にみた出題割合(100校)

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