大学合格者ランキング2020 今年伸びた高校
東大文系上位は東京圏が集中 灘を抑えて7位入りした関西の学校は……
2020.05.19

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、2020年度の大学入試が終わった。今年はどんな高校が躍進したのか。大学通信の安田賢治常務が、大学・カテゴリーごとに「ランキングのツボ」を解説する。
東大の一般入試は、学部別ではなく科類別に行われている。文系は文科1~3類、理系は理科1~3類だ。前期課程(1~2年)では原則として科類別にクラスが編成され、外国語や情報処理、基礎講義などの教養教育が中心に行われる。後期課程(3~4年)で学部・学科に分かれ、本格的に専門分野を学ぶ。この「進学選択」制度(通称「進学振り分け」、略して「進振り」)により、多くの学生にとっては3年生からキャンパスも駒場から本郷に移る。
かつては医学部医学科へ進学できるのは理科2~3類のみといった制限があったが、2006年度の新入生から、全科類から全学部に進学できるようになった。文系の主な進学先学部を見ると、文1は法学部、文2は経済学部、文3は文学部や教育学部のほか、駒場にある教養学部(後期課程)への進学者も多い。
東大文系合計合格者数のトップは開成の62人だ。2位は筑波大附駒場の47人、3位は桜蔭の38人、4位は麻布の37人で、ここまでは東京都内の学校が占める。東京圏以外では7位の西大和学園(奈良)が29人でトップ。文理合計のランキングでは11位だったが、同4位(文系13位)の灘(兵庫)を抑えてトップ10入りした。公立トップは13位の日比谷(東京)だった。
開成は文理合わせて185人が合格しているが、文系と理系の比率はほぼ1:2になり、理系のほうが多い。一般入試の募集人員の比率を見ると、文系:理系は1223:1737で、ほぼ5:7になる。開成は募集人員の比率以上に理系合格者が多いことがわかる。逆に東大の募集人員の比率にかかわらず、文系合格者数が理系を上回っている学校も多い。筑波大附駒場、麻布、西大和学園、8位の浅野(神奈川)、10位の女子学院(東京)、11位の渋谷教育学園渋谷(東京)などだ。ただ、年によって異なり、これらの学校が一概に文系に強い学校とは言えない。
「文系最難関」文1神話にかげり
科類別にみると、文1トップは開成の33人、2位は筑波大附駒場の24人、3位は桜蔭の15人だ。文2は聖光学院(神奈川)が16人でトップ、2位は浅野の14人、3位は開成の13人だ。文3トップは開成の15人、2位は西大和学園の12人、3位は筑波大附駒場、桜蔭、麻布の3校の11人だった。
東大文系の一般入試では長らく文1が最難関といわれてきた。しかし、近年の進学振り分けでは、文1から法学部への進学者が定員割れを起こしている。キャリア官僚や法曹の人気ダウンが理由とみられる。さらに、昨年の一般入試では、文1より文2のほうが合格最低点が高かった。「文系最難関は東大文1」という時代ではなくなりつつあるようだ。
※次のページから東大文系合格者数「1人まで」全高校ランキング。