失われた学びを取り戻す

黒板が見えない! 休校明けは視力低下に注意 進行抑えるポイントは

2020.05.21

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山下 知子
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長かった休校もようやく終わりが見えてきました。オンライン授業、ゲーム、動画視聴……。外出自粛が求められ、休校中はデジタル機器に触れる時間が増えた子どもも多かったのでは? 小児眼科を専門とする富田香(かおる)医師は「休校明けは子どもの視力を気にかけて」と呼びかけます。富田医師に、子どもの目を守るために気をつけることを聞きました。

話を伺った人

富田香さん

平和眼科院長

(とみた・かおる) 平和眼科(東京・池袋)院長。専門は小児眼科。慶應義塾大学医学部卒業後、国立小児病院(現国立成育医療センター)などに勤務、1987年より現職。

休校期間、近視が進んだ子が増加

――休校期間中に「視力が下がった」という子どもが多いと聞きます。

いま、「学校が始まる前に眼鏡を変えたい」という来院者が続出しています。近視が進んでしまっている子どもが多いと実感しています。聞けば、ゲームやテレビなどに触れている時間がとても長くなっています。学校に通うようになると、遠くのものを見る機会が増えます。子どもが見えにくさを訴えたら、放置は禁物。近視は、7~11歳で最も進行します。

例年であれば、学校ではいまの時期に視力検査が行われます。それが今年度は年度内の実施となり、視力低下に気付く機会が遅くなっています。保護者も教師も、見えているかどうか気に掛け、「黒板の字、読める?」などと声を掛けてください。特に小学校低学年は、「見えにくさ」に気付きにくいことに留意しましょう。「見え」は他人と比べることができないため、「みんなこんな風に見えている」と思ってしまうからです。家庭で目を細めてテレビを見ていたら、すぐに眼科へ連れてきてほしいと思います。

どうする? 長期休校
今年度は長引く休校で、学校の視力検査も遅れている

30分たったら5分動こう

――一部の地域では休校が続き、再開した地域でも感染拡大の第2波、第3波による再度の休校も考えられます。教育現場を含め、今回のコロナ禍を機にデジタル機器の使用はますます進むでしょう。子どもの目を守るために気をつけることは何でしょうか。

「30センチ、30分」「1日2時間の日光」と言っています。

目から30センチ以内のものを30分以上見続けると、近視は進行します。姿勢に気をつけて見ることと、連続して見ないことがポイント。30分たったら、目を離し、動くことです。保護者の方には「5分ほど、立って動いてほしい」と伝えています。立ち上がると視線は遠くにいきますので、それだけでピント合わせが緩みます。

近視は遺伝的要因が強いのですが、昨今の研究では、週に14時間以上、明るさ数千ルクスの光を浴びると、近視の進行が抑制されることが分かってきています。

ただ、部屋の中は400~600ルクス程度、窓際でも800ルクス程度なので、数千ルクスというのは、屋外でないと実現が難しい。普通に学校がある日でも、日光を浴びている時間は1時間程度と言われています。

週に14時間、つまり1日2時間弱、日光を浴びるというのはなかなか大変ですが、遺伝要因を超える効果があるという指摘もあるので、可能な限り、外に出ることを心がけてください。ベランダに出るだけでもいいのです。ベランダにちょうど良い日陰があったら、そこで本を読んでもいい。木陰でも曇りでも、早朝でも夕暮れ時でも、とにかく日の光を浴びる時間を意識的に増やしましょう。

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