失われた学びを取り戻す

休校でゲームと動画漬け、抜け出すための3つのポイント 保護者にできることは

2020.05.20

author
山下 知子
Main Image

長かった休校もようやく終わりが見えてきました。そんななか、外出自粛でゲームや動画漬けになってしまった子を持つ保護者の間で、「学校生活に戻れるのか心配」という不安の声が高まっています。規則正しい日常を取り戻すために、親ができることとは――。ゲームやネット依存に詳しい2人の専門家に聞きました。

ゲームを無理に遠ざけない

ゲームなどに触れる時間は、どうすれば減らせるのでしょう。森山さんは、以下の三つの対応を提案します。

①子どもと対話をし、他に楽しめるものを探す

思春期になると、親が与えたものは素直に喜びません。子どもの意見を聞き、能動的に楽しむようにすることが大切だといいます。ゲーム時間についても、「あとどのくらいで終われそう?」など、子どもに決めさせ、言わせるように導くのがポイント。親自身が、子どもの好きなゲームを知り、一緒にゲームの話をすることで子どもとの対話が始まることもあります。「ゲームの区切り」も分かり、スムーズにゲームを終わらせることができるかもしれません。

②ゲームを使った行動を促してみる

「体を動かしなさい」では、ゲーム中の子どもは「嫌だ」「後で」となってしまいがち。例えば、「Pokemon GO」を使えば、散歩に連れ出すことができるかもしれません。上手に取り込んで、別の行動を促してみてください。

③意識的に親以外の第三者を入れる

休校で外出自粛となると、親子関係が密になりすぎ、息苦しさにつながります。それがゲームや動画視聴に子どもを駆り立てる要因にもなります。塾などが企画するオンライン講座を受けるなどし、親以外の大人としゃべる時間を意識的に作ってみてはどうでしょうか。親も自分の時間ができ、心に余裕が生まれます。

森山さんは「学校が始まるまでに戻そうと思わなくていい。学校に通う中で生活リズムは戻っていきます」と言います。その上で、子どもが「できたこと」に目を向けることが大切だといいます。昨日より早く起きられた、自分で起きられた……。年齢を問わず、ちょっとしたことを褒めて認めていくことで、「できたこと」が継続し、増えていくそうです。

4、5歳の頃の我が子に立ち返る

九州大谷短期大学名誉教授で、NPO法人「子どもとメディア」代表理事の山田眞理子さんは「ゲームや動画が好きになる前に、何に興味を持っていたか。子どもが4、5歳の頃に夢中だったことを思い出して」と助言します。

山田さんは臨床心理学が専門。ゲーム依存などの傾向がある子ども向けの合宿などを国内で開いてきました。4、5歳の頃にレゴブロックが好きだったら、昔のレゴブロックを取り出して作品を作り、色つきのセロハンを貼った懐中電灯などを使ってライティングに挑戦し、よりオリジナルな表現にする。ぬり絵が好きだったら、美術館がネット上で公開している名画のぬり絵をダウンロードして挑戦する。「それらを祖父母に写真や動画で送ってもいいかもしれません。4、5歳をベースに、今の年齢にあった新しい楽しみ方を一緒に考えてみてはどうでしょう」

自粛が解除されても、保護者の仕事や分散登校のため、日中は子どもだけで家で過ごすというケースもあるでしょう。そうした時にゲームやテレビばかりの生活にならないよう、山田さんは、子どもにとって楽しい宿題を用意しておくことを提案します。例えば、火を使わずにできるお菓子の家づくりの計画書を作らせ、2日目に実際に調理してもらう、マンションの一室に段ボールで迷路を作り、帰宅した親に試してもらう――。いずれも山田さんの知人がこの休校期間中に試みたことだそうです。

山田さんは「声を出す」行動が大切だとも。「子どもはでたらめな歌が大好き。例えば、普段の会話も即興でオペラ風にやってみたら、子どもものってくるかもしれません。動画を撮って、後で見て笑うのもいい。『子どもにとって何が楽しいのか』という視点に立ち返れば、日常を過ごすヒントが必ず見つかるはずです」

新着記事