休校延長の今こそ読みたい本

「これも学習マンガだ!」山内康裕さん 楽しみながら知識を身につける 親子で読みたい5冊

2020.05.22

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藤堂 真衣
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EduAで連載を執筆いただいている方や教育に関わる識者の皆さんに、休校期間中にこそ読んでほしい「お薦めの本」を紹介してもらいました。

話を伺った人

山内康裕さん

これも学習マンガだ!事務局長 一般社団法人マンガナイト代表理事

(やまうち・やすひろ)2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」結成。2020年に法人化し、「これも学習マンガだ!」の普及・推進事業を展開している。従来の学習マンガに加えて一般マンガにも学びになるものが多い点に注目し、2015年に日本財団主催で立ち上がったプロジェクト「これも学習マンガだ!」の共同発起人で、スタート時より事務局長を務めている。

外出自粛が続き、不安な気持ちになっている人も多い現在。マンガは、たとえ一時的であってもそうした不安を忘れさせてくれる存在です。生き方を教えてくれる作品、生活に役立つ知識を身につけられる“おトク”な作品など、人生を豊かにしてくれるマンガがたくさんあります。

「この機会を使って、何か学ばなくちゃ!」。そんなに強い意志がなくても大丈夫。マンガを読みながら不安な気持ちを忘れ、さらに知識が身につけばラッキー。それくらいの気持ちで、肩の力を抜いて過ごしてくださいね。

科学の始まりについて学ぶ

『Dr.STONE』 集英社 ジャンプ・コミックス 稲垣理一郎(原作) Boichi(作画)
対象:小学校中学年~中学生

Dr.STONE 1
集英社
価格:484円

地球上の人類が石化し、文明が終わりを迎えた数千年後の世界で始まる物語。主人公の少年・石神千空が天才的な科学の知識を武器に、科学文明の再構築に挑んでいくというストーリーです。科学というと難しい理論をもとに実験室の中で研究されるものだと思われがちですが、千空が最初に作り出すのは塩や石けんといった生活に不可欠なもの。科学が、実は自然に存在するものから生まれ、とても身近なところから始まっていることを教えてくれます。火薬は何からできるのか? 電池はどうすれば作れるのか? そうした知識が物語の中でおのずと身につき、さらにその先にある本格的な科学の学びへの興味を呼び起こす構成になっているのもポイント。

今のタイミングは親と子が一緒に過ごす時間も長いため、マンガを親子で楽しむ絶好のタイミングとも言えます。理系の方なら、さらに充実した知識を子どもに伝えるチャンスにもなり、コミュニケーションの一助にもなるのではないでしょうか。

ウイルス侵入時、体の中で何が起こっている?

『はたらく細胞』 講談社 シリウスKC 清水茜(作)
対象:小学校高学年、中学生

はたらく細胞(1)
講談社
価格:660円

動物などを人間のキャラクターにする「擬人化」というマンガのジャンルがありますが、これは私たちの体の中にある白血球や赤血球といった「細胞」を擬人化した作品です。各細胞をキャラクター化することで親近感がわき、また印象に残りやすいので知識として定着しやすくなります。風邪薬はどうして風邪に効くのか、なぜ暑いと熱中症になるのか。生活の中でなんとなくわかっているつもりでも、実はきちんとしくみを理解できていないこともありますよね。それらを「擬人化」し、キャラクターたちの動きに置き換えることでわかりやすく教えてくれる作品です。

顕微鏡越しの写真では恐ろしい見た目のウイルスも、擬人化を想像できれば印象が変わるかもしれません。コロナウイルスの流行下では、ウイルスや雑菌がどのように体内に侵入し、細胞たちはそれをどのように発見し、駆除するのか。自分たちの体にある免疫細胞の働きを知ることで、未知の感染症への過剰な恐怖心も少しやわらぐのではないかと思います。

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