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APU・出口治明学長に聞く 変化の時代に求められる3本柱

2020.05.29

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斉藤 純江
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時代の変化に伴い、大学入試が大きく変わろうとしているいま、大学教育に求められるものは何なのでしょうか。ライフネット生命創業者で、立命館アジア太平洋大(APU)学長の出口治明さんに聞きました。

話を伺った人

出口治明さん

立命館アジア太平洋大学(APU)学長

(でぐち・はるあき) 1948年生まれ。日本生命を経てライフネット生命を起業し上場。国際公募で選ばれ、2018年より現職。著書に「哲学と宗教全史」「全世界史(上・下)」など。

――変化の大きい時代です。大学に求められるのはどんな教育でしょうか?

これからの大学教育は、女性、ダイバーシティー、高学歴という、三つのキーワードをベースに考えなければなりません。日本は戦後の製造業の成功体験から抜け出せず、この30年間、新しい産業を生み出せませんでした。その結果、経済は停滞し、国際競争力は低迷しています。一方で、いまどんな企業が世界のトップにいるかと言えば、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やユニコーンなどの若い企業が多い。そのような企業が誕生する条件が、女性、ダイバーシティー、高学歴なのです。

――三つのキーワードを、どのように大学教育に採り入れますか?

まず女性です。日本の男女格差は世界153カ国中121位と過去最低ですが、たとえば生産サイドに女性がいなければ女性ユーザーの心はつかめません。教員ももっと女性を増やすべきです。APUは女性教員が3割を超えていますが、女性教員が非常に少ない場合は、クオータ制の変形として女性限定の採用枠を設けるくらいでもいいでしょう。

ダイバーシティーは、ビジネスや産業の強みになります。多様な人が集まって議論するから、面白いものが出てくるのです。APU は秋入学と英語入試を実施しており、約90の国や地域から約3千人の留学生が来ています。年齢のダイバーシティーも重要ですから、社会人に学んでもらうための企業向け短期プログラムを実施しています。

高学歴は、アイデアで勝負する時代、好きなことを勉強している人でないといいアイデアは出ません。しかし、日本の大学や大学院の進学率はOECD 平均を下回っていますし、大学に入っても勉強しません。これは企業の責任が大きいと思います。

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