学習と健康・成長

SNSの落とし穴 小中学生が陥りがちな「著作権」トラブルとは?

2020.06.01

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高橋 暁子
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友だちの絵も著作権侵害の対象に

著作権とは、自分の著作物を保護するための権利のことだ。文化の発展のため、著作者の利益を守り、著作物の正しい利用を促すことを目的としている。対象物は、文章や音楽、舞踊、建築、地図、写真、映画、プログラムなど多岐にわたる。もちろん子どもたちの著作物も対象となるということだ。

東京都三鷹市の女性(48)は、ある時、小学6年生の次女(12)の様子が変なことに気がついた。熱などもないのに、とにかく「学校を休みたい」と繰り返すばかりだ。何とか学校に行きたがらない理由を聞き出したところ、思わぬ理由だったことがわかった。

クラスの絵のうまい友だちに憧れていた次女。友だちがSNSに公開している絵を自分のスマホに保存していたという。「それだけならよかったのですが、中でもお気に入りの絵を、SNSのアカウントを作って投稿してしまったみたいなんです……」

次女は、単にお気に入りのイラストを投稿したという認識だった。ところが、その友だちが「誰かに絵を盗まれた」と怒っていることを知り、学校に行けなくなっていたのだ。

実は、友だちの絵や写真、動画などを勝手に自分のアカウントなどに投稿してしまい、トラブルになる例は少なくない。スマホやSNSが身近なものとなり、子どもでも簡単に投稿できてしまう。知識や悪意がない状態で投稿してしまい、問題となっているのだ。

著作権本文画像

著作権侵害、違法ダウンロードで炎上

著作権意識が乏しい小学生がSNSで発信することで、炎上につながることもある。ある小学6年生の男児(12)は、ゲームをしているところを生配信する、いわゆる「ゲーム実況」の常連だった。ゲーム実況は人気の動画ジャンルであり、ファンの多いゲームであれば実況配信はたくさんのユーザーに視聴される。

この時も、男児の配信は複数の大人のユーザーが視聴していた。そのうち、視聴していたユーザーから、プレーしているゲームは「割れ」、つまり違法ダウンロードではないかと指摘された。「そうだけど、悪い?」と男児が軽口をたたいたところ、視聴していたユーザーの間で炎上状態になってしまったのだ。

ゲームを買わずにダウンロードすることは、当然ながら著作権侵害に当たる。違法行為に憤ったユーザーたちは男児に指導などをするのではなく、個人情報を特定し、ネット上で公開してしまったのだ。

男児は、雑誌で情報を得てダウンロードしており、違法と自覚していなかった可能性がある。しかし視聴していたユーザーたちからは、男児は“違法行為をした糾弾してもいい存在”ととらえられたため、徹底的に攻撃されてしまったのだ。

実は、違法ダウンロードの方法はネットや雑誌などで紹介されていることがある。子どもにとっては、ネットや雑誌などで堂々と紹介されていることが著作権侵害であり違法行為とはわかりづらいだろう。

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