学校再開でも焦らないで

コロナあけの学校再開 子どもの心、注意点は? いじめや不登校増のリスクも

2020.05.27

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上野 創
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長期間にわたった異例の休校措置も、ようやく終わりつつあります。ただ、学校の再開後、そして例年と異なる夏休みに向けて、感染予防以外にも注意すべき点があります。NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の副代表理事で、いじめられたり不登校になったりした子の支援もしている須永祐慈さん(40)に話を聞きました。(写真=休校が続く中で分散の自主登校が始まり、久しぶり学校に通ってきた公立校の児童・生徒たち=5月18日、広島県大竹市、西晃奈撮影)

不登校が増える可能性も

――学校になじめなくなるリスクもありますか。

始まってしばらくは大丈夫だと思いますが、2週間~1カ月ぐらいたつころからが心配です。不安な気持ちが解消されず、疲れもたまって、休み始める子どもが出るのではないかと思うのです。

それ以上に気になるのは、完全な不登校ではないものの、これまでなんとか通っていたような子どもたちのことです。一昨年、日本財団が全国の中学生を対象に調べ、保健室登校をしたり、遅刻や早退が多かったりする「不登校予備群」が約33万人という試算を発表しました。「仮面登校」「隠れ不登校」のような潜在的な不登校は10人に1人、いるのではないか。そういう子どもたちは、学校が再開して「さあ、行かなくちゃ」という状況に適応しきれず、それを心の内にためこんでいき、しばらくしてから頑張れなくなる可能性が高いのです。

これまで不登校だった子たちも、学校再開にプレッシャーを感じています。親や先生、カウンセラーから「学校へ行くチャンス」などと言われると、なおさらしんどくなるかもしれない。

学校に行かないことがすべて悪いわけではないですが、普段の長期休み以上に、表からは分からない子どもの内面を気にして、ケアしてあげてほしいです。

家庭ではポジティブとリラックスを

――親が家でしてあげられることは。

勉強や学校に追い立てすぎないほうがいいでしょう。

「役に立ちたい」「頼られたい」という気持ちを持つ子は多いですから、料理とか掃除とか、一緒に何かやって「ありがとう」と伝えるのも一つだと思います。ポジティブな気持ちやリラックスというのがとても大事だからです。

気になるようだったら、「どんな気持ち?」「どうしたい?」と、子ども自身に上手に聞いてみてください。反抗期は難しいけれど、やっぱりきちんと子どもの考えや意見を聞き、それを尊重してあげるべきだと思います。

――夏休みが大幅に短くなりそうですが影響は。

子どものストレスがさらに増す要因になりそうで心配です。暑い時期に学校へ通うこと自体、子どもにとって負荷が大きいですし、本来より短い夏休みだと息抜きがしっかりできない。休校が終わったとしても、これまでとは異なる「未知の体験」が続いていくわけですから、本当はそのことでたまっていく疲れを、長期休みで解消させてあげたいところです。

先生たちも大変です。通常と違う毎日ですから、対応しきれない部分が出てくる。さらに子どもの夏休みも短いという状況になっていくなか、寄り添う姿勢になれるでしょうか。子どもにとって優しい学校は、先生や大人の負荷や混乱をやわらげる環境でもあると考えているので、そういう方向へ向かってほしいのですが、今の状況を見ると、私は危機感を強く感じています。

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