学習と健康・成長

恐竜をきっかけに知る学ぶ喜び ダイナソー小林が挑戦状を通して伝えたかったこと

2020.06.03

author
田中いつき
Main Image

新型コロナウイルス対策による休校が続く中、ネット上ではさまざまな団体や個人によって、子どもたちが自宅で楽しく過ごすためのアイデアが発信されています。中でも、北海道大学総合博物館教授で、日本の恐竜研究の第一人者である小林快次先生のツイート「#ダイナソー小林からの挑戦状」が話題になりました。40問を超える恐竜クイズを1枚のシートにまとめたもので、初級、中級、上級に分かれています。なぜ挑戦状を投稿したのか、小林先生に伺いました。

知る・学ぶ喜びは将来に必ず役立つ

――子どもたちからの反応は予想通りでしたか。中には「#ダイナソー小林からの挑戦状」に影響を受けて、自分で問題を作ってTwitterに載せていたお子さんもいましたね。

正直、ここまで反応してもらえると思わなかったです。子どもたちも答え甲斐があったようで反応が良かったですね。それから面白かったのが、子どもたちが予想以上に調べて、問題の内容をチェックしてくれたこと。恐竜について調べてみると、図鑑やWebサイトによって情報や解釈が違うことがあるんですよ。それで「この本ではこう書かれていますが、この違いはどういうことなんですか?」という質問をいくつか受けました。僕としては、単純に「図鑑が間違っている」という答え方はしたくなかったんです。「間違っている」「この情報はもう古い」ということではなくて、恐竜研究は今現在も活発に行われて、情報が更新されているということを知り、そこからまた新しい発見や気づきを得てほしかったのです。

また、子ども自身がオリジナルで問題を作ってしまうなんていうのは僕の想像を超えた反応でした。思いがけず、僕も楽しませてもらったという思いがあります。チャレンジしたつもりなのにチャレンジされていたような感覚で、その点ではインタラクティブな取り組みになってよかったなと思っています。

――小林先生は、NHKラジオ「子ども科学電話相談」に長年出演し、子どもたちと交流することを大事にされてらっしゃいますね。

はい。子どもの想像力にはいつも刺激を受けていますね。僕の本を読んでくれる子や「子ども科学電話相談」に電話をかけてくる子は、恐竜のことをもっと知りたくて質問してくるので、言葉に力があると感じるんです。直感で質問してくるので、すごく素朴な疑問だったり、真をついていたりすることが多い。以前ラジオに「恐竜をモフモフしたいんですけど、どの恐竜ならいいですか」という質問をくれた子どもがいましたが、大人にはできない発想ですよね。「桃太郎の登場人物を恐竜に置き換えてお話にしたいんですけれど、キジは何の恐竜を当てはめたらいいですか」という質問も面白かったです。大人には考えつかない質問が多いので、答え甲斐があるし、答えたあとの反応も驚きや感動があってうれしいです。ラジオだと短い時間なので答えられる質問に限りがあるのですが、今回のようにTwitterを使う場合は反応や質問にたくさん答えられたので良かったと思っています。

――恐竜好きのお子さんを持つ保護者からすると、先生のように将来は恐竜の研究者になれるのか、北海道大学に入れるのかといったことが気になると思うのですが、どのようにお答えになっていますか?

子どもから「恐竜研究者になりたい」と言われたら、恐竜で飯が食えるのかと心配になってしまうかもしれませんが、そういうことではなくて今は子ども自身が面白いと思っていることを自由にさせた方がいいと思います。子どもの時期に、自分から意欲を持ってものごとを知る・学ぶことの喜びが習慣づくと、将来必ず役に立ちます。恐竜がきっかけで、調べていくこと、知っていくことが面白いと思えるようになっていくと、その延長線上に自分の可能性が広がってくるものです。「恐竜なんて勉強しなくていいよ」なんてことは言わないでほしいですね。

小林先生本文

新着記事