コロナでどうなる大学入試

入試日程、遅らせる?変更なし? 高校長アンケでは 3 : 7 続く議論

2020.06.12

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上野 創
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山下 知子
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大学入試はいつ行われるのか、予定通りなのか、後ろにずれるのか――。新型コロナウイルスの影響を受け、そんな不安が受験生や保護者の間で広がっています。11日には文部科学省で入試日程についての会議があり、全国の高校に聞いたアンケートをもとに高校や大学関係者が議論しました。アンケートでは「予定通りに」という声が多いものの、延期を求める声に考慮が必要との意見もあり、結論は17日の次回会議以降に持ち越されました。(写真は、マスク姿で試験に臨む受験生ら=2020年2月25日午前、福岡市西区の九州大伊都キャンパス、長沢幹城撮影)

全国の高校アンケートでは7割が「予定通りの実施を」。でも……。

文科省は、多くの高校が3月から約3カ月間、休校だった影響を考慮したうえで、6月中に大学入試の日程をどうするか公表する、としています。現時点では9月以降となっている「総合型選抜」(旧AO入試)の出願と、11月以降としている「学校推薦型選抜」(旧推薦入試)の出願を遅らせるのか。来年1月に予定する大学入学共通テスト、その後の各大学の個別試験など、入試全体の日程を後ろ倒しにするのか。検討が続いています。

2020年度の入試の流れ

高校側の意向を聞くため、文科省の依頼を受けた全国高校長協会(全高長)は6月上旬、国公私立高校5276校にアンケートを実施。10日午後5時までに4318校が回答しました。

全国高校長協会のアンケート
全国高校長協会から高校側に送られた大学入試日程についてのアンケート

センター試験にかわって来年初めて行われる「大学入学共通テスト」については、現時点で「1月16、17日」という日程が示されていますが、「予定通り実施すべき」が30%(1259校)、「予定通りの実施とし、予定通りできなかった場合の予備日の日程を明確にすべき」が39%と、予定通りの実施を求める高校は計69%でした。「2週間程度後ろ倒し」は19%、「1カ月程度後ろ倒し」は10%、「1カ月以上後ろ倒し」は2%で、後ろ倒しを求める高校は計31%でした。

また、各大学が実施する「一般選抜」についても、共通テストと同様の傾向で、「予定通り」を求める高校は69%(2890校)、後ろ倒しを求める高校は計31%でした。

共通テストに関する回答の理由について、予定通りの実施を求める高校の82%は「今後の感染状況が予測できない中で、入試日程を変更するのは不安」と答え、「予定されていた試験日程での受験に向けて準備をしていた受験生の意欲に影響」(55%)、「高校の学事日程に影響」(47%)と続きました。

一方、後ろ倒しを求める高校は「学習の遅れを回復する期間を設けることで、受験生の学習機会を保障」(88%)と「早期に入試日程を変更することで受験生の不安を解消」(86%)が、ほぼ並びました。「入試日程を変更しなければ、学習の遅れを回復できる見込みがない」も47%に達しました。

大学入学共通テストの日程について

11日に開かれた会議「大学入学者選抜方法の改善に関する協議」では、最も支持が多かった「(共通テストを)予定通りの実施とし、予定通りできなかった場合の予備日の日程を明確にすべき」という意見について議論されました。

大学側からは「予備日を設ける場合、会場、試験監督官の確保について、本試験と予備日の2セットをあらかじめ確保するのは困難」など、否定的な声がでました。一方、高校側からは「3割もの高校長が延期すべきだと言う。何かしらの事情で困っているということ。これをどう評価するかが大切だ」「1都3県や北海道は3カ月にわたって休校となり、早く再開できた学校と再開が遅れた学校との公平性を考えれば、本試験そのものを後ろ倒しすべき」といった声が上がったといいます。

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