学習と健康・成長

まゆ毛やまつ毛、髪を抜く原因はストレス? 子どもの「抜毛症」を正しく知る

2020.06.15

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阿部 花恵
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ふと気づけば、自分で自分の髪の毛を抜いている……。もしお子さんにそんなクセが見られるのなら、それは「抜毛症(ばつもうしょう)」という一種の心の病気かもしれません。最近では小学生でも不安や緊張、ストレスから抜毛してしまうケースもあるといいます。なぜ「毛を抜く」症状が表れるのでしょうか? 実際に抜毛症と診断されたお子さんのご両親、そして精神医療の専門家に話を聞きました。

話を聞いた人

立川秀樹さん

パークサイド日比谷クリニック院長

(たつかわ・ひでき)医学博士。日本精神神経学会専門医。東京、埼玉、茨城、北海道で精神科医・産業医として勤務。ストレスケア日比谷クリニック勤務、同クリニック副院長を経て、現在はパークサイド日比谷クリニック(心療内科・精神科・内科)院長。著書に『「こころの病気」から自分を守る処方せん こころの健康を取り戻すために』(マイナビ出版)など。

「抜毛症」はどんな病気? なぜ毛髪を抜くの?

「抜毛症とは、繰り返し自身の毛髪を抜き、さまざまな程度の脱毛状態に至る慢性疾患です。衝動や思考を制御するために意図的に行う自覚型と、何かをしているときについ行ってしまう無意識型、二つの型があります。さまざまな要因が関わっており、原因不明なケースも多いのですが、4分の1以上はストレス状況と関連していると言われています」

そう話すのは、日本精神神経学会専門医で、パークサイド日比谷クリニックの立川秀樹院長。なぜストレスが「毛を抜く」という行為につながるのか。その理由の一つに、保護下に置かれる子どもならではの環境要因がありました。

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