子どもの成長と教育費用

子どもが中学生のとき、教育費用の準備は「手堅く」が正解な理由

2020.06.22

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南澤 悠佳
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部活動や塾通いなど、子どもが中学生になると貯金がしづらくなってくるといわれます。そうした状況のなか、今後の教育費用を準備するにはどうしたらいいのでしょう?

子育て世代のお金の悩みに、ファイナンシャルプランナーで2児の父でもある小山信康さんがお答えします。

小山 信康

話を伺った人

小山信康さん

ファイナンシャルプランナー

(こやま・のぶやす) IR専門印刷会社で、情報開示書類(有価証券報告書・招集通知等)の制作に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーとして独立。 教育費の見直しからM&Aまで、家計や中小企業経営のサポートを行っている。 著書に「毎月1万円以上の家庭は必ずやりたい 保険の見直し」(彩図社)、「先生になろう!」(マイナビ出版)、「5000円から始めるつみたてNISA」(彩図社)、「5000円から始める確定拠出年金」(彩図社)。

教育費用の準備、共働きが近道

私の子どもを見ていると、都内では中学生になると塾通いが当たり前の印象です。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によれば、公立・私立中学校ともに学校外活動費では「補助学習費」(塾代など)の支出がもっとも多く、公立中学校は私立中学校より支出が多くなっています。特に公立中学校の3年生の年間の補助学習費は約36万円で、月々約2万円は小学生の頃と比べて多くかかることになります。夏季講習や冬季講習といった季節講習に参加すると、塾代はもう少し上がるでしょう。

こうした日々の教育費用を払いながら、今後の教育費用を準備するには、児童手当を貯金すること以外に、収入を上げていくことが欠かせません。お子さんが中学生になれば、小学生のときとは異なり留守番などの懸念はなくなるため、夫婦共働きで稼いでいくのが一番の近道です。

また、投資に興味があれば、つみたてNISAでコツコツ積み上げていくこともひとつの手ですが、過度な期待は禁物です。リーマン・ショック時に大きく株価が下がったとき、元に戻るまで約4年かかりました。子どもが中学生のときに株価が大きく下がるようなことがあり、回復までに同じような時間がかかると仮定すると、大学入学時に株価が戻っているかどうかはギリギリのタイミングとなってしまいます。そのため、子どもが中学生になったら、教育費は手堅く守りの姿勢でためていくことが大事です。

高校受験にかかる教育費用、子に勉強してもらうことで負担軽減

子どもを塾に通わせているからといって安心してはいけません。塾に通う価値を最大化するには、子どもが主体的に勉強する必要があります。

たとえば、塾に通うにしても、全部の教科を受けたり、季節講習に参加したりすることが本当に必要でしょうか? 自分の進みたい高校に向けて、お子さんの理解が足りていない弱点はどこなのか、受験を乗り越えるためにすべきことは? と、計画を立てて強化すべきポイントを洗い出せば、不要な出費を抑えることができます。「同級生がみんな通っているから、うちの子も行かせたほうがいいかな」と、なんとなく塾に通わせてしまう人もいると思います。でも、塾に通う本来の目的は希望する高校に進学できるようにすること。お金も勉強も計画が大事なので、勉強の計画を機に長期プランを考えるクセをつけることは、今後の人生にもプラスになるのではないでしょうか。

また、これは私自身の経験でもありますが、地元の書店で取り扱っている参考書が限られているようなら、一度お子さんと大きな書店に行って参考書を選ぶのもおすすめです。「この参考書なら自分に合っているかも」と思える一冊を見つけ、自分で学習する意欲を見いだすきっかけは意外と大切ですよ。

私立高校の授業料無償化だけでなく、公立も視野に入れて

私立高校の授業料実質無償化に伴い、親世代が子どもの頃に比べ、私立に進学する金銭的負担は軽くなった一面があります。一方で、その恩恵を受けて私立高校に進学したものの、修学旅行先が海外などで費用の捻出が難しく、参加できなかったという話も耳にします。授業料だけでなく、そのほかにどのくらいの費用がかかるかも把握しておく必要があります。

また、都立高校の倍率が低水準になっているというニュースがあるなど、以前と比べて入学しやすいケースもあります。さらに、都立高校によっては、塾や予備校に通わなくても一定の大学に合格できるほど、大学受験に力を入れています。

子どもを育てるなら、進学先は全部私立を想定して教育費用を準備するともいいますが、そのときの家計状況などによって、当初の予定とは異なる部分も出てくると思います。教育費用はもちろん、教育環境に関する一次情報を積極的に集め、無理をしすぎず柔軟に対応していくことも大切です。

そのためにも、やはりお子さんに今ある環境の中でしっかりと勉強する習慣をつけてもらうことが、教育費用の準備においても大きなサポートとなります。

(編集:阿部 綾奈/ノオト)

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