どうなる中学・高校入試

都立高が入試の出題範囲を縮小 過去問対策、併願戦略はどうすれば?

2020.06.18

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山下 知子
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新型コロナウイルス感染拡大防止のために休校になったり、学校説明会が中止になったりと、例年と大きく状況が異なるなか、2021年度春入学者向けの高校入試をめぐって動きが出始めています。6月11日には、東京都と奈良県の教育委員会が来年の公立高入試は出題範囲を縮小すると発表しました。ただ、受験生や保護者らからは、私立高入試の動向や、範囲が縮小された場合の過去問対策などについて不安の声もあがっています。どう対応すればよいのでしょうか。

東京都は5教科、奈良県は3教科で出題範囲を縮小

2021年度の高校入試をめぐっては、文部科学省が5月、都道府県の教育委員会などに配慮を求める通知を出しました。スポーツ・文化関係の行事、資格・検定試験などが中止や延期になったことによる不利益を被ることがないようにする▽出席日数や学習評価の記載内容、諸活動の記載が少ないことによって不利益を被ることがないようにする▽入試において出題範囲や内容、出題方法について、必要に応じた適切な工夫をする――ことなどを求めています。

こうした通知などを受け、東京都教委と奈良県教委は6月11日、2021年度の都立高校、県立高校の入試において、出題範囲を縮小することを発表しました。

東京都では、英数国理社の5教科すべてで出題範囲を狭めます。除外するのは、主に3年生の後半に学ぶ内容で、中3の出題範囲を7カ月程度で学習できる分量に絞ったそうです。国語は「中3の教科書で学習する漢字」、数学は「三平方の定理」「標本調査」、英語は「関係代名詞」のうち主格のthat、which、who及び目的格のthat、whichの制限的用法などが範囲外になります。理科の第1分野は『運動とエネルギー』の「力学的エネルギー」と『科学技術と人間』、第2分野は『地球と宇宙』の「太陽系と恒星」と『自然と人間』。社会は公民的分野のうち、『私たちと経済』の「国民の生活と政府の役割」と『私たちと国際社会の諸課題』を除外します。

奈良県では、数学、理科、社会の3科目で出題範囲を縮小します。国語と英語は、入試までに出題範囲の学習を終えられると判断したため、減らさないそうです。数学は、2月にある特色選抜と言われる入試では「三平方の定理」と「標本調査」を除外。3月にある一般選抜では「三平方の定理」は出題しますが、「標本調査」は出しません。一般選抜で実施される理科と社会は、理科で『科学技術と人間』『自然と人間』、社会で公民の『私たちと国際社会の諸課題』を出題しないそうです。県教委の担当者は「休校が長く続き、受験生らには不安感があるので、できるだけ早めに方針を打ち出しました」と話しています。

どうなる中学・高校入試

熊本県では8月末に出題範囲を公表するそうです。ただ、6月初旬の教育委員会では、出題範囲の縮小を検討していることを明らかにし、「中学3年の教科書の後半を除くなどの配慮をすることがある」と通知しています。一方、静岡県は、前回の入試と同様の出題範囲で実施するとしています。ただ、今後、感染症の全国的な拡大などがみられた場合、出題範囲や試験内容の方針変更も検討するそうです。

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