小学生の留学事情

費用10分の1の「バーチャル留学」も!? アフターコロナの小中学生留学事情

2020.06.25

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佐々木 正孝
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コロナ禍にあたっての一斉休校措置は解除されたものの、小中学生の学びには大きな影響が及びました。それは義務教育だけではありません。国と国との自由な往来が滞る中、子どもたちの海外留学も揺れています。小中学生を中心に幅広い年代の留学をサポートする海外教育研究所の金成有理さんに、コロナ禍で変容を迫られた留学事情の現在を聞きました。


話を伺った人

金成 有理さん

株式会社海外教育研究所 代表取締役

(かなり・ゆり) 海外教育コンサルタント。海外教育研究所の代表として小中高生、大学生・社会人の留学をサポートしている。高校時代のサマースクールをきっかけに、カナダの大学へ進学し国際関係学を専攻。帰国後は私立中高一貫校、英会話学校で教師、講師を務める。教職歴は10年。

留学中・留学前の子どもたちにコロナが与えた影響は

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、各国はビザの発給の停止や入国の制限を実施。観光やビジネスに深刻なダメージがありましたが、海外留学にも影を落としています。コロナ禍の大混乱は海外で長期留学を送っている、そして留学を控えている子どもたちも直撃しました。

「緊急帰国か、それとも現地に残るのか……? お子さんを送り出したご家族は留学先の国の判断、受け入れ先の学校の指針などを把握しながら判断されていました」

年間で300人以上の海外留学をサポートする海外教育研究所の金成有理さんは、世界的に感染拡大が進んだ3~4月をこう振り返ります。海外教育研究所がサポートする留学生のうち、3分の2は緊急帰国。残留を決めた3分の1の留学生は、オーストラリア、ニュージーランドなどのオセアニア圏に長期留学している子どもが多かったそうです。

「ニュージーランドで1年プラス1学期を学んだ小学生のケースです。4月に帰国予定でしたが、家族の同伴なしで飛行機に乗れるエスコートサービスが相次いで中止され、1人では帰国できないためにフライトがキャンセルに。帰国する手段がなく、やむなく1学期を延長して留学を続行することを決められました」

留学先の各国でも休校措置が取られ、ステイホームを余儀なくされたのは日本と同じです。留学生の多くはタブレットやパソコンを使ったオンライン学習で学びを続行していたとか。

「英語圏の私立校はオンライン学習のインフラ整備が進んでいます。オーストラリア、ニュージーランドでは小学校低学年から、パソコンを当たり前のように授業で使っていますからね。在宅のオンライン授業に切り替えるのも容易だったようです」

一方、この春からの留学を準備していた家族は難しい判断を迫られました。2月から新年度が始まるオーストラリア、ニュージーランドの場合、留学先の新学期に合わせるか(2月留学スタート)、日本の学年度を終えてから留学するか(4月留学スタート)が大きな分かれ道になったのです。

「2月からの留学の場合は問題なく渡航でき、留学生活を1カ月送ったのちにステイホームに入ることになりました。一方、4月留学スタートの方は渡航そのものができなかった。飛行機の便も限定されますし、入国時は2週間の隔離が前提になります。初留学が隔離からスタートするのはハードルが高く、留学の延期も仕方がありません。ニュージーランドのビザを取得したものの、出発3週間前に延期を決断し、急きょ地元の公立中学校に編入されたお子さんもいらっしゃいます。日本だけではなく各国の先行きも不透明ですから、延期を決断されたご家族には『じっくり準備できると考えて、備えましょう』とアドバイスしています。語学をとっても、会話だけでは足りません。英語で理科、算数などの授業を受けることになりますからね。各教科用のアカデミック英語を学ぶのも有効な準備になります」

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