国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

読書感想文の書き方のコツ お伝えします!

2020.07.13

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南雲 ゆりか
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読書感想文とは、単に本の感想を書くものでしょうか? 実はそうではありません。書くことによって、本をより深く理解し、考えることが、感想文の目的のひとつです。ですから、「感じたことを好きなように書いてごらん」という言葉がけは、あまり適切ではありません。では、どのように取り組めばよいか、その方法をお話ししたいと思います。

選ぶ本で、感想文の書きやすさが決まる

感想文を書くのに向いている本とそうでない本とがあります。

以前、サスペンスもので書いた感想文を添削してほしいと頼まれたことがありました。読んでみると、あの場面が怖かった、あのトリックはすごかった、ということがランダムに散らばっています。おもしろい本だから感想がたくさん書けると思って選んだのでしょう。もちろんこうした読み物でも、人間模様などに注目して掘り下げることはできるかもしれません。でも、それならば、人と人との関わりを主題にした本を選んだ方が書きやすいはずです。

物語や随筆などの文学的文章なら、作者のメッセージがわかりやすいものが感想文に向いています。加えて、魅力的な人物が出てくる共感できる元気になれる癒やされる心をゆさぶられる、などの要素があればぐっと書きやすくなります。それらを手がかりにして考えを深めることができます。

説明的文章では、たとえば生き物でも鉄道でも、自分の好きな分野の本を選べば、知識や経験を絡めて書けるので、筆が進むでしょう。

一方、全く知らない領域の本に挑戦するのも手です。初めて知って驚いたこと、感心したことなどを読み手に伝えるようなつもりで書けば、おもしろい感想文になると思います。

物語は主題を考えるところからスタートする

まず感想を書き出す方法もありますが、「おもしろかった」以外に思い浮かばず、行き詰まってしまう子も少なくありません。

物語に込められたメッセージを一緒に考えることから始めましょう。まず、「だれ(何)がどうなる話」かを考えます。たとえば、「自信のなかったAが前向きになれる話」とか「互いを敵視していたBとCが仲良くなる話」など、簡単にまとめましょう。

次に、「なぜ前向きになれたの?」「どうすることで仲良くなれた?」などと問いかけて、ノートなどに書き出していきます。「家族が支えてくれたから」「一緒に困難を乗り越えたから」など「きっかけとなるできごと」を確かめるのです。そこに主題が潜んでいることがあります。主題はひとつとは限りませんが、自分なりに気づいたことを「家族の愛情は生きる支えになる」「力を合わせることで友情や絆は深まる」などとメモしておきます。

そうしたら、自分も似たような経験をしたことはないかを考えてみましょう。もしそのような経験がなくても、「自分の場合はこうだった」と比較するのもいいですね。

その他、印象に残る場面やできごとは、主題に絡んでいることも多いので、書き出して感想や考えを書いておきます

そうした作業をしながら本を読み返していると、伏線や象徴表現を発見したり、「なるほどそういう意味があったのか!」と気づいたりします。そんな「気づき」も書き出しておくと、感想文のよい材料になります。

説明文は筆者の主張をおさえておく

説明文では、本の前書きや後書きに注目しましょう。筆者の意見や思いがまとめられていることがあります。前書きや後書きがなくても、筆者が考えをまとめている部分は必ずあります。それを要約しておくと感想文の方向を定めやすくなります。

さらに、初めて知ったこと、おどろいたこと、興味を引かれたことなども書き出しておきましょう。それぞれに感想を書き込んだり、自分の知識や経験、生活と関連づけたり、調べたことを足したりすると、内容をふくらませることができます。

書き出しておいたメモを整理して構成を考える

メモの書き出しを終えたら、それらを似た内容ごとにグループ分けします。そしてメインにするものを選び、書く順番を決めて書き始めましょう。物語の場合も説明文の場合も、手順は同じです。

国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

感想文には、図のような要素を盛り込みます。

本の内容にふれながら感想や経験を述べるというように、a~cを織り交ぜながら進めると書きやすいでしょう。その本を読んでいない人にも伝わるように、読みたいと思わせるように意識しながら書きます

「d 結論」や「e 今後の展望」は最後に書くとまとまります。一方、結論や本の最も印象的な部分を「書き出し」で示す方法もあります。本の帯やキャッチコピーになりそうな言葉を冒頭に書けば、読み手を引きつけることができますので、チャレンジしてみてください。

子どもたちはどのような文章がよいとされるのか、意外と知りません。コンクールで入選した感想文を、文集やウェブサイトなどで読むのもよい勉強になります。

感想文は、大人でも書くのは大変です。たとえ物足りない仕上がりであったとしても、書いたことによってお子さんの読む力や考える力は伸びています。最後まで書けたことを一緒に喜んであげてください。

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