コロナでどうなる大学入試

大学入学共通テスト「第2日程」に疑問の声広がる 公平性保てるか

2020.06.26

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中村 正史
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柿崎明子
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授業の遅れ=学業の遅れではない 

しかも共通テストは来年が初めての実施であり、センター試験とは試験内容が大きく変わることも、等質の問題を複数作ることの困難さに拍車をかけると、南風原氏は見ている。「試行調査も十分になされておらず、ぶっつけ本番の試験になります。2回の試験の間で、その質はかなりぶれると考えるべきでしょう」

従来の追試験であれば、病気などで受験できなかった人に対象が限定され、本来なら零点か無効扱いになる人に受験機会を与える、まさに救済目的であり、試験の等質性はそこまで問題にならないが、追試験とは性格が変わった第2日程は違う。

さらに重要なのは、「学業の遅れ」とは何か。授業の遅れ=学業の遅れではない、というのが南風原氏の意見だ。

「学習の素材は学校以外にも多様にあり、オンライン授業の実施状況だけで『学業の遅れ』を判断することはできません。そもそも大学入試は受験者個人の選択によって受けるものであり、同じ高校に所属しているからといって、高校が選択を定める権利もありません」

また、共通テストの日程は後ろ倒しにするのに、その後の私大や国公立大の個別試験は動かさないため、結果的に共通テスト後の日程が、いびつで窮屈なものになったことも問題だ。

「文部科学省は善意で受験生に配慮したいのだと思いますが、そこで何が起きるのか、詳細を詰めなければいけない。これでは、『制度の詳細は追って』と甘くみていた英語民間試験や記述式問題の失敗の繰り返しになります。第2日程は受験者の対象も、救済の効果もあいまいです。第2日程を実施するにしても、追試験と位置づけるのが賢明です。試験が等質にならず、必ずしも救済にならないことを踏まえ、基本的に再考すべきです」

【文中写真】萩生田文科相
記者会見する萩生田光一文部科学相=6月12日

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