コロナでどうなる大学入試

大学入学共通テスト「第2日程」に疑問の声広がる 公平性保てるか

2020.06.26

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中村 正史
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柿崎明子
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配慮した割に実効性がない「アベノマスク」と同じ 

駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一氏は、「第2日程はいったい、だれが対象なのかわからない。あまり受験事情を知らない人たちがつくったとしか思えない」ととらえている。

「難関国立大や早慶など成績上位層が狙う大学は、2次試験や個別試験の対策が重要視されるので、第1日程を狙うでしょう。中堅クラスの高校は私大専願者が多く、入試が早い関西では京都産業大が1月27日、龍谷大が29日、近畿大が30日から入試が始まるので、第2日程に重なってしまい、この時期をつぶして共通テストを受けるはずがありません。関東も2月初めから私大の入試が始まるので、共通テストより私大対策を取るでしょう。第2日程を選ぶ可能性があるとすれば、地方の医療系の公立大などで、2次試験が小論文と面接で学科試験がない大学に限られるでしょう」

代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員の坂口幸世氏は、「2週間遅らせたからといって、『わあ、うれしい』と喜ぶ受験生はいないでしょう。国公立大の2次試験や私大の個別試験の対策をする時間がなくなるからです。あえて第2日程のメリットを探せば、第1日程の問題を知ることで傾向がわかることですが、だからといってその問題を解けるかどうかは別問題で、大きなメリットとは言えません」としたうえで、こう話す。

「第2日程の受験者数がごくわずかならば、それほど混乱は起きないでしょうが、第1日程対第2日程が6対4なら、あるいは8対2でも、混乱が起きる可能性があります。両方の問題を比べて難易度の差が明白なら問題になるでしょう。第2日程を受ける人が多ければ多いほど、2段階選抜のラインの予測も難しくなります」

そして坂口氏はこうも言うのだ。

「今回の第2日程は、決めたほうが非常にナーバスになっていると思います。来年の共通テストは英語民間試験や記述式問題が見送りになった経緯もあり、『今回はこんなに配慮しました』という態度を表明したのだと思います。しかし、その割に実効性がない。『アベノマスク』と一緒ですね」

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