学習と健康・成長

「手紙」で磨く4つの力 何から始めれば? 注意点は……楽しく書くコツ

2020.07.03

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有馬 ゆえ
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休校期間中、友だちとのコミュニケーション不足で、ストレスを抱える子どもが多かったそう。いまだ気軽に会って話すことが難しい今、メールより「手紙」でのコミュニケーションを提案してみませんか? ラーニング・アドバイザーの高橋真生さんによれば、手紙は作文力や企画力などを磨く機会にもなるとのこと。友人、祖父母、先生など、さまざまな人へ楽しく手紙を書くためのコツを伺いました。

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話を伺った人

高橋 真生さん

絵本専門士・ラーニングアドバイザー

(たかはし・まい)高校の国語科教員、公共図書館や学校図書館などの司書を経て、現在フリーランス。執筆のほかイベントやワークショップなどの活動を通して、「物語」を軸にした学習・読書支援を行う。AllAbout「図鑑・行事・絵本・自由研究」ガイド、「にこっと絵本」編集長を務める。

文章力、企画力……手紙でつく4つの力

――いまや、小学生でもメールやチャットアプリなどをコミュニケーションツールとする時代。あえて手紙を書くことには、どんなメリットがあるのでしょうか?

手紙を書くことで育つ子どもの能力は、4つあります。1つめは、文章力。作文や読書感想文と比べて、手紙は伝える相手がより特定されます。そのため、相手に伝えたい事柄をはっきりと描きやすく、文章で伝える練習がしやすいのです。

2つめは、企画力です。ハガキや便せん、切手を選ぶことができたり、封筒に折り紙や切り抜き、葉っぱなどを同封できたりと、手紙は表現の自由度が高い。自分と相手が楽しむにはどうしたらいいか工夫しやすいため、企画を立てるトレーニングになるのです。

作文や読書感想文、自由研究が好きな子は、その力を伸ばすことができるでしょう。そうした分野に苦手意識のある子ならば、楽しむ糸口を見つけるきっかけになるはずです。

――3つめはどんな力でしょうか。

言葉のバリエーションを増やし、TPOで使い分ける力です。手紙は会話と違って言葉が形に残るので、特に相手が不快にならない言葉選びをする必要がある。普段の生活では、なかなか積むことのできない経験ですよね。

なかでも大切なのは、どういう言葉を使って、どういう言葉を使わないか。あいさつ状ならばフォーマルな言葉を選び、カジュアルな言い回しを選ばない、といった言葉の感覚を育むことができます。

言葉を換えることで物事が前向きにとらえられるという感覚も、身に着けられるといいですよね。例えば、「大変だった」と感じる事柄でも、「大変だったけどがんばった」などと表現できるようになれば、相手との関係も、自分自身の心の持ちようも変わります。

保護者の方は、普段の会話のなかで、こうした言い換えの選択肢を示してあげられるといいですね。多角的な物の見方をするヒントになります。また、五味太郎さんの「言葉図鑑」(偕成社)などの言葉に関する絵本や、類語辞典を見せるのも刺激になります。

――「言葉を使ってみたい」という気持ちが、手紙を書くモチベーションにもつながりそうですね。最後の1つはどんな力でしょうか。

最後は、季節を感じる力です。季節のあいさつ状だけでなく、絵はがきや切手を選ぶ際にも季節感覚は養われます。

日本の文化は四季と強く結びついているので、子どもの頃から季節を楽しむ気持ちを知っていると日々が豊かになるはず。何より、目の前の景色に季節ごとの美しさや面白さを見つけられる感受性は、ときに厳しい現実を子どもが生きていくなかで助けになると思います。

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