発達凸凹の子の中学受験

学校に着けない・ノートは書けない……困ったことだらけの中学校生活、でも学ぶのは楽しい

2020.07.10

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なないお
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この春、自閉症スペクトラムの息子が兵庫県の名門・灘中学校に合格したものの、地元の公立中高一貫校に進学したブロガーのなないおさん。発達凸凹の子供たちの子育てについてつづります。

ノートは真っ白

息子は発達検査でも同時処理だけが極端に悪く、板書を写すのは困難です。それでも小学校時代は書ける範囲で書いていました。

それが中学に入ってからはほぼ真っ白。「話を聞きながら見て書くのって無理じゃね?」と本人も言っているので、それだけしっかり授業を聞いているということかと今のところは対策なしです。書いて覚えるタイプではなく、頭には話を聞けば入るのですが、後々大学受験までにはもう少し何か工夫やトレーニングできたらいいなと思っています。ノートが書けない件は学校にご理解いただいていますし、とりあえず学校生活に慣れるまではこのままで行くつもりです。高校受験がないので、こういう点で焦らなくていいのは中高一貫校のメリットだと思います。

提出物が出せない

小学校では連絡袋があり、その中に提出物をまとめて教卓の箱に入れる仕組みだったのですが、中学では教科ごとの先生に提出しなくてはなりません。一斉に集めるものなら出せるのですが、自分で先生に持っていかなくてはならないものや、提出が遅れたものなどが全く出せないままでした。

息子は困っても自分から助けを求めることが困難です。これはずっと息子のテーマでトレーニングはしてきましたがいまだに難しい状況です。先生は常に何か仕事をされています。声をかけるタイミングがわからないのです。聞かれたことには答えるけども自分から人に声をかけることがほとんどできない子です。

中学に入学した後は、美術道具やリコーダー、辞書といった学校で販売されるものが色々あります。その注文書を提出できなくて買えないのです。こちらとしては注文書を渡して、販売日にお金を渡し、帰宅したら……買ってきていない。なんで?というと実は注文書を出せなかった、よく聞けば宿題も出すタイミングがわからない、ほぼ出せないままであることが発覚しました。

放課後に一緒に学校へ戻り、職員室へ提出物を持っていかせました。先生の机の一覧表を見せてもらい、不在でも教科ごとに先生の机に置いておけば良いことにしていただきました。これで自分から声をかけるタイミングがつかめなくても、とりあえず提出はできるようになりました。

「困ってるのがデフォルト」

中学生に親が付き添って提出物の出し方を教えるのは、一般的にはとても過保護なことだと思います。しかし息子の特性では、一つ一つ教えていかないことにはできるようにはなりません。慣れて余裕ができれば周りを見て行動することもできるのですが、イレギュラーなことには対応できず、今のところはいっぱいいっぱいです。

他にも学校で自転車の鍵をなくし、先生に聞けずに鍵がかかったまま家まで自転車を引きずって帰ろうとしたり(ヘルプの電話が来て私が対応)、私が体調不良でお弁当が作れなかった時に食堂でお弁当の買い方がわからなかったり、本当に困ることだらけのように見えます。

勉強はできても、日常生活では同じ年代の子どもができる当たり前のことが色々とできません。発達障害と呼ばれる人たちはそれぞれ個人の中にある凸凹が大きく、そのギャップに苦しむことも多いように思います。

しかし本人に尋ねると、「多分困ってるのがデフォルトだから自覚ない」ということらしいです。きっと私が思うよりも混沌(こんとん)とした世界に生きているのだろうなと思います。

発達凸凹の子の中学受験
教材は教科ごとにゴムベルトでまとめてカバンの中へ

学校が再開して一月近く経ちますが、今のところ学校に行き渋る様子は一切見られません。学校の授業はそれなりにレベルが高く、面白いそうです。

小学校では先生方に大変お世話になり支えていただきましたが、授業内容が知っていることばかりで進みが遅く、彼にとっては苦痛が大きかったようです。授業が面白い、学ぶ意欲を刺激される。学校に行く意義を本人が見いだせていることはとてもうれしく思います。

娘が先に入学していたこともあり、支援学級がなくてもとても手厚い学校であることは知っていました。お忙しい中、先生方は丁寧に子どもたちに気を配ってくださっています。中学受験は体力気力勝負のハードな道のりですが、それを乗り越えて子どもたちが今の環境にいられることは、本当に運が良くありがたいことだと思っております。

息子の中学生活はまだ始まったばかりですが、ひとつひとつの困ったことに向き合い、一緒に支えてくださる学校や支援者の方々と相談しながら、本人の成長を見守っていこうと思います。

前回は発達障害児の中学受験として我が家の体験記を書かせていただきましたが、今回は発達障害児を育てる上での我が家の子どもたちと私のスタンス、そして周りと折り合いの付け方などの工夫について連載で書いていこうと思っております。

何とぞお付き合いくださいませ。

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