コロナでどうなる大学入試

共通テスト、異例の仕組みを再確認 試験日は選べる? 受験生が多い日程は?

2020.07.07

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増谷 文生
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新型コロナウイルスの影響で遅れていた大学入学共通テストの実施要項が、6月30日、大学入試センターから発表されました。「第1日程」「第2日程」という二つの試験日程が設けられ、現役生は出願時に選ぶことになるという異例の仕組みです。混乱への懸念や問題点も指摘されますが、まずは公表された日程について、朝日新聞編集局で取材を続ける増谷文生編集委員が解説します。(写真は緊張した面持ちでセンター試験の会場に向かう受験生たち=2020年1月18日、盛岡市)

第1と第2の設定、公平性に疑問の声も

第1日程の問題や配点を見て対策を取れる分、第2日程を受けた方が有利になりませんか。

繰り返しになりますが、両日程の難易度は同じになるように作るそうです。でも、第1日程の直後に問題が公表されますから、それを見て傾向などを分析し、準備をした上で臨める第2日程の受験生は有利だと、公平性を心配する高校の先生や予備校関係者はいます。共通テストは初めての実施ですから、どういう問題が出るのか、ある程度、把握すれば有利になる可能性は確かにあります。

この点について記者会見で問われた文部科学省の担当者は「第2日程は学習が遅れた生徒が受けるのであり、既卒者(浪人生)も受ける第1日程とは受験者層が異なっている(から公平性は問題ない)」と回答しました。

第1か第2かは学校ごとに分かれるものですか? 同じ高校で同じ授業を受けているのですから、学習の遅れの有無は同じであるはずですが。

いえ、基本的には生徒個人の希望を重視し、校長の判断次第とのことです。つまり、同じ学校、同じクラスの生徒でも、ある子は第1、別の子は第2ということもありうるそうです。

高校は地理歴史や理科などで選択科目が多様なので、生徒によって授業の取り方も異なり、科目によってオンライン授業が順調に進んだり進まなかったりすると、「同じ高校でも差が出る」と文科省などは説明しています。

受験生はどちらを選ぶのでしょう?

予備校関係者に尋ねると、第2日程を選ぶ生徒は少ないだろうという見方があります。2月初旬から私立大の試験が始まり、国公立大の2次試験(個別試験)も2月25日からです。共通テストは第1日程で終わらせて、早くそちらの対策に時間を振り向けることを選ぶだろうという予測です。

新型コロナウイルスの再拡大や受験生の体調不良など、何が起きるか分からない状況を考えると、第1日程を選んでおいて万が一のときに第2日程を追試験として受けられるようにしておきたい、という受験生もいるでしょう。第2日程に出願して病気やけがで受けられなかった受験生も、2月に「特例追試験」を受験できますが、「会場が全国で2カ所しかない」「センター試験時代に作られた問題だから不安」などの理由で、敬遠する人もいるかもしれません。

ただ、どちらの日程が何人ぐらいになるかというのは分かりません。文科省は全高校生を対象に、共通テストを受験するつもりか、受けるのなら第1日程と第2日程のどちらを受験したいかを尋ねるアンケートを行っています。7月中に結果が発表される予定ですので、どちらを受けるか迷っている高校生は、参考にするとよいでしょう。

共通テストが終わった後の個別試験の日程は、例年通りなのですか。

おおむね変わりません。ただ、共通テストの成績を活用するタイプの入試は、合格発表日が例年よりも遅れる大学が続出しそうです。これは、第2日程を設定したために、入試センターから各大学への成績提供が、センター試験の時よりも1週間程度遅れるためです。大学によっては、他の入試方式にも影響が及ぶ可能性があります。

また、文科省は各大学が行う個別試験についても、新型コロナに感染した受験生のために、追試験を設定するか、別の日程に無料で振り替えるよう強く求めています。多くの試験日程がある私立大は別日程への振り替えで対応するケースが多そうですが、国公立大を中心に、例年はない追試験を実施するケースがありますので、チェックしておきましょう。

共通テストの変更を受けて、受験生はどんな点に注意すればよいでしょうか。

実施要項がようやく公表されたので、各大学は7月末までに個別試験での出題科目や入試方法などの概要を発表します。予備校の担当者は「受験生は志望する大学がどのような点を変更するのか注目してほしい」と話しています。

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