発達凸凹の子の中学受験

先生は子育てのパートナー 「合理的配慮」を求める交渉ポイントは

2020.07.17

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なないお
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この春、自閉症スペクトラムの息子が兵庫県の名門・灘中学校に合格したものの、地元の公立中高一貫校に進学したブロガーのなないおさん。発達凸凹の子供たちの子育てについてつづります。

「配慮」は眼鏡や補聴器と同じ

発達障害のある子どもたちは、同じ学齢の子どもたちと比べて出来ることと出来ないことの差が大きくあります。集団で活動をする学校の場合、なんらかの配慮がないと困ることが増えたり、不適切な行動につながったりしてきます。障害に理解がなければ、一見、子どものわがままや怠慢に見えてしまうのです。

発達障害のある子どもにとって「配慮」とは、見えにくい人の眼鏡、聞こえにくい人の補聴器と同じです。配慮があって初めて周りの人と同じ「学ぶ環境」を得られます。

そして障害者差別解消法に基づき、学校は障害のある子どもに対し、合理的配慮をする義務(私立は努力義務)があります。これはもちろん普通学級に在籍していても同じです。

しかし、どうやったらうまく先生に子どものことをわかってもらえるのか、どうお願いしたら子どもの障害に適切な配慮をしてもらえるのか、悩むご家庭も多いのではないでしょうか。

ちょっとしたコツで学校との話し合いがスムーズに進む方法があります。もちろん先生方にも色々な方がいらっしゃいますので、全てにうまくいくとは限りません。1年間子どもを預けるにあたって、極力良い関係を築いておきたいですよね。

先生は子育てのパートナー

SNSなどを見ていると、障害に理解のない先生につらい思いをした話をよく目にします。もちろんそういう先生方もいらっしゃいますし、本当に大変かと思います。しかし基本的には先生方は子どもたちに教えたい人、子どもたちを育てたい人です。子どもの成長のために私たちと協力し合うパートナーです。

ただ、学校の先生は仕事がとても多く、過度な残業など労働環境も近年問題になっています。疲れていて余裕のない方も多いのです。

「お忙しいのにすみません」
「いつもありがとうございます」
「本当に色々と助かります」
「これからもよろしくお願いします」
「頼りにしています」

このように一言、感謝とねぎらいの言葉を添えることが、その後の話し合いの潤滑油になります。職業とはいえ先生も一人の人間。相手の態度によって、最低限のことで済ませようと思うか、尽力しようと思うか、の違いは出てきます。

先生と保護者という立場以前に、人として相手を尊重する態度は欠かせないと思います。

プロにはまず相談から

「うちの子は〇〇なので〇〇してください」

よくやってしまいがちなパターンですね。私も最初はこの調子でした。

たとえ支援学級であっても、学校は個別指導の場ではありません。複数の子どもたちを見ていく上で、先生一人でできることには限りがあります。どんなことができるのかできないのかは最終的には学校側が判断することになります。

そこに最初から「こうしてください」と指示してしまえば、教育のプロである相手はいい気持ちはしないと思います。もちろん合理的配慮として公立の学校には配慮をする義務はありますが、どこまでが過度の要求なのかどうかは双方の話し合いで折り合いをつけねばなりません。

「うちの子は〇〇で困っているのですが、何か学校でできる対策はないでしょうか」

そう話した後に先方からアイデアが出ればラッキー。そういうものは大抵過去に配慮の実例があるものです。こちらが思ってもいなかった方法が出ることもしばしばあります。

なないおさんコラム②2
小学校の通級指導教室で

なかなか自分の子に合いそうなものが出なければ、そこで初めて、

「うちでは〇〇すれば〇〇できることは多いです。学校では難しいでしょうか」
「こういう方法があると聞いたのですが、試してみることは可能ですか?」

と出してみるのが吉です。その上で学校での環境を考慮して可能かどうか、無理ならば他に方法はないか、話し合いを進めていけば良いと思います。結局言うことは同じなのですが、順番を間違えなければ、随分と違った結果になることは多いと思います。

指示で人はなかなか動かせませんが、丁寧に頼られて悪い気がする人は少ないですよね。ただ、先生は教育のプロですが、特別支援教育のプロとは限りません。支援学級に配属される先生であっても特別な免許は必須ではありません。

あまりご存じない先生にあたったら、可能であればお子さんの特性を丁寧に伝える努力は必要かと思います。その際には「〇〇が出来ない」「〇〇がわからない」だけでなく、「〇〇が難しいがこうすれば家では出来ることがあった」「〇〇はわからないがこういう伝え方だと理解しやすい」などと出来ることを付け加えると、配慮のヒントにもなるかと思います。

子どもも、家で見せる様子と学校で周りの目がある中で見せる様子が大きく違うことがあります。大人でも職場と家では同じ態度ではありませんよね。家では出来ないことが学校では出来る、またはその逆もあります。

子どもの特性を一番知っているのは、長い時間過ごしている保護者であることは間違いないのですが、親から見えている部分を全てと思い込むのはまずいです。まずはいったん、学校での様子と家での様子を先生とすり合わせてみることが大事です。

子どもから学校での出来事を聞いて、「え?」と驚くことはしばしばありますが、そのまま学校にぶつけるのはいったん置いて、「子どもからこう聞いたのですが何があったのでしょうか」と状況説明を求めてみると良いですね。

子どもの側の言葉足らずや説明違い、勘違いということもままあるのです。これである程度、要らぬ対立は避けられます。

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