サピックス広野先生の 知っトクなっトク中学受験

コロナ影響下での授業や家庭学習 自力で解ける子になる機会に

2020.07.22

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広野 雅明
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情報過多の時代の中学受験。大手進学塾サピックスの広野雅明先生が保護者の方々に向け、情報を上手に利用するコツを解説します。

新型コロナウイルスの感染拡大で、2月末より学校や学習塾が休講となり、家庭学習のペースがなかなかつかめなかったご家庭も多かったと思います。学校や学習塾も、教材の郵送、課題の送信、動画の配信、オンライン授業の展開と、それぞれ模索しながらお子様の学習状況の支援に努めたと思われます。事前の条件が、学校・学習塾・家庭とかなり差がありましたので、なかなか難しい部分もあります。今回は、状況を振り返りながら、今後の家庭学習や受験校選びの参考になるお話になれば幸いです。

難しかったオンライン授業

教育のICT化はここ数年のテーマでしたが、対面授業を重視する学校・学習塾等が多い状況でなかなか進みませんでした。ただし、都立高校入試へのスピーキングの導入や大学入試の英語4技能の測定で、PCやタブレット等を使用したテストを実施するため、一部の学校や高校受験・大学受験をメインにした学習塾は、そのような機器やWi-Fiなどを整備していました。一方、まだ対策の進んでいない学校や、中学受験以下がメインの学習塾などは当然そのような準備がないので、今回はかなり苦戦していたようです。また1人1台のPCやタブレットを持たせる学校でも、新中1生には機器を渡せておらず、中2以上の学年よりも対応が難しかったようです。

そのような状況下でまずは教科書やテキスト・プリントを郵送し、各ご家庭のインターネット環境を調査するところから始まりました。保護者の在宅勤務や兄弟姉妹のオンライン学習もありますので、専用の機器がお子様にない、またインターネット環境が不十分のご家庭も少なからずありました。また4、5月はインターネットの通信量がかなり増加し、時間帯により回線の負荷も大きかったようです。そのため、すべてのご家庭の状況に配慮すると、なかなか理想のオンライン授業が組めなかった学校や学習塾も多かったようです。学校によってはOB・OGの協力で機器を追加購入したり、予備の機器をご家庭に貸与したりしていたと聞きます。

様々なオンライン授業のプラットフォームがありますので、各校・各塾で一番よいと思われるソフトを使用し、まずは登録することから始まりました。しかし、今回はアクセス数の急増でプラットフォーム自体にもかなり負荷がかかり、カタログデータ通り動かずにかなり大変だったようです。

サピックス広野先生の知っトクなっトク中学受験

このような状況下で各校・各塾のオンライン授業がスタートします。その方法を大きく分けると、
(1)教材・課題・プリントなどの郵送や配信 ⇒ メール等での質問応対
(2)授業動画の配信 ⇒ メール等での質問応対
(3)テレビ会議システムを使用したオンタイムでの双方向授業
になると思います。

この中で保護者の評価が一番高いのは(3)で、お子様も一番モチベーションが上がるようです。お子様が決められた時間に机に向かって勉強しますし、画面越しですが、担当講師が直接見守りますので、保護者としては安心です。ただし、教科によってはあまり効率がよくないと考える先生もおり、ご家庭の状況によっては、機器などにかなり制約が多くなるため、あまりうまくいかない面もあります。(2)は一見すると平凡ですが、お子様によっては必要のない部分は見ないとか、わからないところは繰り返し何度も見て学習できるので、かえって時間が効率的に使えると考えるようです。

また、PC画面などを連続して視聴し続けることでお子様の視力への影響も心配です。

お子様は、入学試験を受験します。その時は自分1人で問題を解かないといけません。教わることはとても大事なことですが、最終的には自分の力で問題が解けるようにならないと受験生にはなれません。その意味で(1)の教材や課題・プリントを自分の力で解くことが実は一番大事なことで、(2)や(3)はそのための補助的な手段であることは忘れないでいただきたいと思います。

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