学習と健康・成長

ジャイアンものび太も自分らしく 民主主義と子どもの権利、家庭内にこそ考える機会

2020.07.28

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有馬 ゆえ
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大事なのは間違わないことより言葉にすること

――子どもと一緒に民主主義について考えるとき、まずどんなアクションを起こせばよいのでしょうか。

社会や政治について、ともに問うてみる、ともに考えてみることです。私たちが生きる以上、社会や政治から逃れることはできません。他者と尊重し合える社会をつくる大人に成長するためにも、小さいときから問いを持ったり、声を上げたり、行動に移したりという練習をしておくとよいと思います。

子どもは、社会や政治の問題を身近に感じにくいかもしれません。しかし、コロナ禍での保護者や先生の様子を見ていて、あるいは学校が急に休校になったり、かと思えば急に再開したり、マスクをして教室で過ごす緊張感にさいなまれたりして、何か感じていることはあるはず。

自分に発言権がないだけでなく、状況もよく知らされないなかで、自分の行動が決められていく。そんな現状について、どのように考えているのか。自分が持っている疑問や意見を声に出してみるのは、とても大切です。

――子どもと話す際は、どのようにきっかけを見つければよいでしょうか。

テレビや新聞などを見て子どもが「どういうことなの?」と聞いてきたときはもちろん、保護者から「夏休みが短くなってしまったことについてどう思っている?」と水を向けてもいいでしょう。「ほかにやり方はあるのかな?」「どうやって決めたのかな?」「こういう事情があったからなのかな?」 などと問いを膨らませ、結論はなくていいので、思考や対話のプロセスをともにすることが大事です。

とくに子どもが質問をしてきたときは、自分なりの考えを作ろうとしている過程なのだと受け止め、根気強く付き合ってあげてください。保護者が答えられないことならば、一緒に調べてみるのも大切です。

大人だって知らないことはあるし、考えて議論しなければいけないことはある。大人が政治について考え続ける姿勢を見せれば、子どもは自分もこうして生きていけばいいんだと学ぶことができます。

――大人であっても、政治に関する知識に自信がない人は少なくないですよね。親子で対話するときにコツはありますか?

子どもも保護者も、間違いを恐れないことです。日本人は、自信を持って回答できないときは発言を控える傾向にあります。しかし学びの観点から言えば、間違えないことよりも、自分の考えを書き出したり、口にしたりすることの方に意味がある。

自分の考えを文字や言葉にしなければ、責任が生まれることも、自分にどんな知識が足りないかわかることも、他人と議論して考えを深めることもできません。

そもそも、間違えない人はいない。子どもも大人も間違えたら新たに学べばいいし、それが成長につながるのだと思います。人間の尊さとは、死ぬまで学び、成長できる点にあるのですから。

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