総合型・学校推薦型選抜に挑む
AO・推薦入試 今の高3生から新制度で何が変わる? コロナの影響は??
2020.07.27

新型コロナの影響「ピンチをチャンスに」
新型コロナウイルスの感染拡大は、総合型・学校推薦型選抜にも影響を及ぼしている。総合型の出願が当初の日程より2週間遅れの「9月15日以降」となったのは、前述のとおりだ。
書類審査では高校時代の活動を書いてアピールするが、「インターハイ」などのスポーツ競技大会や文化活動、コンテストなどの多くが中止や延期になってしまった。受験生からは「実績を上げて自分を表現しようと考えていたが、見込みと違ってしまった」「どうやってアピールしたら良いのか」といった声が上がっている。
英検などの民間資格試験も、会場での感染リスクを考慮して、春の実施は軒並み見送りとなった。英検は6月から再開され、ほかにオンラインで受けられる英語民間試験もあるが、今春の資格試験に期待していた受験生は対応を迫られている。
こうした事態を受け、萩生田光一文部科学相は4月の閣議後会見で、「活動の記録が少ないことをもって、実績評価や調査書において特定の受験生が不利益を被ることのないように、各大学には配慮いただきたい」と発言。5月には文科省が、面接をオンラインで行うなどの工夫をするよう全国の大学に通知した。
通知では、「努力のプロセスや入学を志願する大学で学ぼうとする意欲を多面的・総合的に評価すること」とし、推薦書、活動報告書、志望理由書などで、そうした内容についての記載を求めるよう述べている。「多様な選抜方法の工夫」の具体例として、大学の授業へのオンライン参加やリポート作成、入学後の学修計画書の提出、実技を撮影した動画の提出などを示している。
新聞などで情報収集を
専門塾などは、動揺を抑え気持ちを切り替えるよう、受験生に助言している。
早稲田塾の中川敏和・AO指導部長は「ピンチをチャンスに変えよう」と塾生に語りかける。「インターハイで良い成績を目指して日々の練習を工夫した」「検定のために自分で考えて努力した」というプロセスこそ重要で、結果だけで判断されるわけではないと言う。「何をしたいのか、ということが一番大切。それに向けて、コロナの影響があった時期にこういうことをしていましたというストーリーが相手に伝われば、『この子は頑張る子だな』と大学側に分かってもらえる」
さらに、小論文や面接で、新型コロナに関する話題が出る可能性もあると、中川さんは話す。「なんといっても世界的に大きな話題となっている出来事。それが自分の学びたいテーマとどう関わるか、アフターコロナの時代をどう考えるか、オンラインやテレワークなどの変化をどう予測するか。新聞などのニュースに触れて情報収集をし、考えて臨むのが良いでしょう」