発達凸凹の子の中学受験

かみ癖、雑音の中での聞き分け…「苦手」には意外な原因も 対応は本人のキャパ守りながら

2020.08.07

author
なないお
Main Image

この春、自閉症スペクトラムの息子が兵庫県の名門・灘中学校に合格したものの、地元の公立中高一貫校に進学したブロガーのなないおさん。発達凸凹の子供たちの子育てについてつづります。

同じ診断名でも「苦手」は様々

発達障害を持つ子どもたち、もしくはグレーゾーンと呼ばれる子どもたちは、同じ年齢の子どもたちと比較して、極端に苦手なことやできないことがあります。

もちろん誰にでも苦手なことも得意なこともあるはずです。しかし、そのギャップが大きく日常生活や学校生活において支障をもたらすレベルになると、障害と診断され配慮を必要とします。

困ったことにその多くが全くできないわけではなく、コンディションによってはできる時もあります。発達障害へのサポートはよく眼鏡に例えられますが、眼鏡をかけている人も全く見えないわけではありません。距離によっては見えるものもあり見えないものもある。それと同じように時々できることもあったり、他の能力から推測してできるであろうと思われることができなかったりするので、本人の努力不足やしつけの問題と勘違いされやすいのです。

眼鏡を必要とされる方が、努力やしつけで見えるようにはなりません。必要なのは眼鏡などの矯正器具であり、発達障害の場合は適切なサポートや工夫や周囲の理解になります。発達障害といえども、その特徴は実に様々で、同じ診断名が付いていても同じことが苦手とは限りません。個に応じて何が苦手なのか、原因はなんなのか、どういう工夫があればできるのか、またはできないのか、ひとつひとつ観察し、話し合い、考え、トライしていくしかありません。

そのために、発達検査の結果、専門家の見立て、当事者の方の言葉、先輩保護者の方々の体験談が私には非常に参考になりました。例えば、中3の娘は小さい頃、かみ癖があり、深爪で血が出てしまってもかんでいました。それをやめさせるために、爪かみ防止用の苦いマニキュアを塗るなど、色々工夫もしましたがなかなか止まりませんでした。作業療法の療育に通って感覚の検査を受けたときに、固有覚と前庭覚鈍麻があると指摘されました。

発達障害児によくある感覚過敏は本人にとって刺激の多すぎる状態です。感覚鈍麻はその逆で、本人にとって刺激の足らない状態になります。感覚過敏と感覚鈍麻は両方持つこともあります。

固有覚の鈍麻とは、筋肉や関節などの力の入れ具合を感じる感覚に鈍さがあるということ。常に刺激の足らない状況にあるので、かむことで刺激を入れて落ち着こうとしているとのことでした。持って生まれた感覚の問題であれば止めることはできません。爪をかむことが不適切であれば、何か代替品を用意すれば良いのです。

専用のカミカミグッズなども試しました。しかし、かみごたえに好みがあるのでなかなかフィットするものが見つかりません。次々と試して、娘は乾燥昆布が一番気に入ったようです。食べ物なので学校に持ち込むことなどはできませんが、中学生になった今でも宿題などで意識的に集中したい時には昆布をかんでいます。投薬もしていますが、いざ集中が必要な時や落ち着きたい時に、かむものやカフェイン、炭酸水などで自分の刺激をコントロールすることを覚えました。

なないおさんコラム3コーヒー

前庭覚は体の回転やスピード、傾きを感じる感覚です。それに鈍さがあることも多動の一因ではないかと考えられています。つまり動くことで足らない刺激を入れているようです。娘は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の診断もあり、大変多動です。

このような感覚は、成長と共に変化していくこともあるそうです。多動児の場合、小学校の高学年ぐらいで多動は落ち着くケースがよくあるそうですが、うちの場合は当てはまりませんでした。今でもバリバリ多動で、投薬や工夫でなんとか社会と折り合いをつけようとしています。

新着記事