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スポーツの価値を社会へ、個人へ広げる 日本体育大学スポーツマネジメント学部

2020.09.16

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西島 博之
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2019年のラグビーW杯、来年に開催延期となった東京五輪・パラリンピック――。スポーツに対する関心が大きく盛り上がるなか、スポーツが持つ価値をさらに広げていくためのリーダーを育てようと、日本初の学部が誕生した。※写真は、スポーツ・レクリエーションや生涯教育の指導者としての技術を学ぶレクリエーション実技(日本体育大提供)

多くのトップアスリートやスポーツ指導者を送り出してきた日本体育大。世界的なスポーツイベントの日本開催を前にした2018年4月、横浜・健志台キャンパスに開設したのが、スポーツマネジメント学部だ。同大によると「スポーツマネジメント」の名称を持つ学部は日本で初めてだという。石井隆憲学部長がこう話す。

「スポーツ基本法の制定やスポーツ庁の設置など、スポーツはいま国家戦略に位置づけられています。スポーツの持つ経済的な価値や、国民の健康を増進する公共財としての機能を広める人材を育てる目的で新学部を開設しました

スポーツビジネスの現場を実体験

スポーツを一つのリソース(資源)ととらえ、その価値を社会へ、そして個人へと拡大していくため、2学科を設置している。

「スポーツマネジメント学科」では、スポーツの価値を理解し、新たなビジネスを創出する能力を養う。スポーツビジネスを展開する企業や関連団体、プロチームなど約80の機関と提携し、スポーツビジネスの現場を体感する実習科目を設けるなど、実践的な学びが特長だ。

「2年次には計30時間の実習を行い、一見華やかにみえるスポーツビジネスの世界が、選手の健康管理などさまざまな裏方的な仕事によって支えられていることを学びます。この実習を、3年次のインターンシップ(就業体験)へとつなげていきます」(石井学部長)

「スポーツの価値の拡大に向けて、大学としてどのような貢献ができるのかを考えました」と話す石井隆憲学部長(撮影/大野洋介)
「スポーツの価値の拡大に向けて、大学としてどのような貢献ができるのかを考えました」と話す石井隆憲学部長(撮影/大野洋介)

一方、「スポーツライフマネジメント学科」では、生涯スポーツの普及を通し、地域の活性化や健康増進を支援・指導する力を育む。教員免許をはじめ、スポーツ指導のスペシャリストとなるためのさまざまな資格の取得が可能だ。

「取得可能な免許・資格の数は18。本学の学部・学科のなかでは最多です」(同)

ライフステージに応じた指導を

高齢社会が進むなか、充実した人生を送るには、自立した生活ができる健康寿命を延ばすことが重要だ。それは増加傾向にある医療費の抑制にもつながる。個人のライフステージに応じたきめ細かなスポーツ支援・指導は、これからの時代に不可欠だ。

「スポーツライフマネジメントの需要は今後、大きく拡大していきます。スポーツを通じた充実した生き方の提案は、多くの指導者を送り出してきた本学だからこそできるものだと考えています」(同)

「親が経営するゴルフ練習場などのスポーツ施設をさらに発展させたい」など、同学部には目的意識を持って入学する学生も多いという。W杯や五輪・パラリンピック開催によるムーブメントを一過性のもので終わらせるのではなく、スポーツ本来の価値を広く、長く社会に根付かせるための試みが始まっている。

スポーツデータ解析演習では、データの可能性と限界を知り、スポーツビジネスで活用するための実践力を学ぶ(写真提供/日本体育大)
スポーツデータ解析演習では、データの可能性と限界を知り、スポーツビジネスで活用するための実践力を学ぶ(写真提供/日本体育大)

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