早生まれに負けない子育て

早生まれは高校入試にも影響!? 東大教授が説く「不利のはね返し方」

2020.09.15

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山下 知子
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早生まれは幼いころは不利だが、小学校の高学年ぐらいになれば気にならなくなる――。そんな印象論は誤りだとする研究が話題になっています。「生まれ月による不利は、大人になっても存在する」。7月に発表した論文で、こう指摘した東京大学大学院の山口慎太郎教授(労働経済学)に、早生まれの不利をはね返す方法を聞きました。

山口 慎太郎さん

話を聞いた人

山口 慎太郎さん

東京大学大学院経済学研究科教授

(やまぐち・しんたろう)1976年生まれ。専門は労働経済学、家族の経済学。「『家族の幸せ』の経済学」(光文社新書)でサントリー学芸賞受賞。男性の育児休業や保育政策などについて、積極的に発信している。

早生まれは大人になっても損をする?

――昔から、「早生まれ」は幼稚園や保育園、小学校低学年のころは不利だと言われてきました。記者の次男(4)も3月生まれなので、気になっています。

生まれた月の違いによる成長差は、幼少期ほど大きいものがあります。4月入学で、4月2日生まれから翌年4月1日生まれを同じ学年とする日本では、「最年長」である4月生まれの子どもは相対的に体格がよく、勉強やスポーツもよくできて、リーダー的な存在になりやすい一方、「最年少」の3月生まれは何事にも遅れがちです。個人差はありますが、集団としてみた時にそうした傾向はやはり存在します。

――でも、成長すれば差は縮まってくるんですよね。知人に「小学校の高学年ぐらいになれば心配ない」と聞いてホッとしていたのですが……。

残念ながら、今回の研究で早生まれの不利は、高校入試の段階でも続いていることが分かりました。統計的な誤差を補正した上で、4月生まれと3月生まれで入学した高校の偏差値を比べると、4.5も違っていました。私たちも、こんなにもはっきりとした差があるとは思っていませんでした。

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