学習と健康・成長

留学しなくても英語は話せる? 行正り香さんに聞く、バイリンガルを育てる家庭学習法

2020.09.11

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佐々木 正孝
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小学校での英語教育が必修化し、キッズ向けの英会話スクールが注目を集めている昨今。幼い頃から実践的な英語学習を行い、「わが子をバイリンガルに育てたい」と考えている方も少なくないでしょう。英語アプリ「カラオケEnglish」を開発した行正り香さんは、自宅での学びを通して、お子さん2人の英語力を格段にアップさせました。親としてどのように子どもの英語学習をサポートしてきたのか。行正さんに「おうちバイリンガルの育て方」を聞きました。

Rika_Yukimasa

話を伺った人

行正り香さん

料理研究家/英語アプリ「カラオケEnglish」主宰

(ゆきまさ・りか)料理研究家。アクティブラーニング教材「カラオケEnglish」などを手がける株式会社REKIDSの代表取締役。カリフォルニア大学バークレー校卒。帰国後は広告代理店でCMプロデューサーとして活躍し、在職中から料理研究家に。料理書を中心に著書は50冊以上に及ぶ。2010年に子ども向け学習サイト「なるほど!エージェント」を開設。

英語力を伸ばす近道は、文法例文をひたすら音読すること

――自宅での学習によって、2人のお子さんの英語力をぐんとアップさせた行正さん。しかし、最初から順調だったわけではなかったそうですね。

振り返れば、わが家の英語学習はトライアル&エラーの連続でした。長女は、まず3歳でネイティブの英語教師が教えてくれる英会話教室に、6歳からプリント式の英語教室に通いました。

しかし、どちらもうまくいきませんでしたね。英会話教室では発音はよくなったものの、英語を体系立てて学ぶことができない。プリント式の英語教室では体系立てた英語を学ぶことができても、本人が課題をやりたがらなかったのです。

「これでは何年かかっても英語を話せるようにはならない。どうすれば娘たちに英語を身につけられるだろう?」と考えているうちに、私自身の英語の学習法を思い出しました。私は18歳のとき、英語力ゼロの状態でアメリカに留学したんです。

――ご自身が英語を体得できたという学習法とは、どのようなものだったのでしょうか?

留学先のESL(母国語が英語以外の国から来た学生のためのコース)の先生に教わったのは、英文法の例文をくり返し音読すること。それを録音して発音をチェックしながら、文法を一つひとつマスターしていくのが、私にとってベストの方法だったんです。

シチュエーションごとの会話をパターンとして覚えて、発音を聞きながら学ぶという方法もあります。しかし、それではオウム返しのように決まったフレーズを返せるだけ。それ以上のステージには進めないし、自分の考えていることを英語でアウトプットすることもできません。

「英語力」とは自分の考えを英語でプレゼンテーションできる力だと、私は考えています。子どもの英語力を伸ばしたいのであれば、私の結論はシンプルです。たとえ幼い頃からシチュエーションごとの会話を学ぶ方式で学習していても、中学に入る頃には文法例文をくり返し音読し、脳に英語をインプットしていく必要があります。

――となると、まずは音読できるレベルに引き上げる仕組みが大切になりますね。

そうですね。まず文字がすらすら読めなければ音読すること自体が難しい。だから、「英語の音声を聞いて、その通りにマネして声にだしてみる」、つまり、乳幼児が大人の話す「音」を真似する方法で学ぶ必要があります。そして、ある程度英語が読めるようになったら、音読を始めるのが理想的なステップだと思います。そのため、「音真似→音読」の一連のステップが踏める教材やツールはないかと思って、いろいろ探しました。

昨年度の大学入試でも話題になりましたが、「CEFR(セファール:ヨーロッパ共通参照枠)」という言語の習熟度を測る国際指標があります。英検準2級ならCEFRのA1・A2レベルに当たり、多くの音読教材があります。

一方で、娘たちのように英語がまったくできないA0レベルに向けた音読教材は見つからなかったのです。だったら、自分で作ってしまおうと思い、英語がまったくできない状態から音読へと導いていくアプリ「カラオケEnglish」の開発を始めました。最初は娘たち用に文法コースを作りましたが、その後、公立の小学校英語カリキュラムに対応して、シチュエーション会話例文コースも作りました。

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さまざまなレベルに合わせて、例文を声に出す練習ができる「カラオケEnglish」

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